おがの広報
おがの蝶日記復刻版

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ヒオドシチョウ

平成2年12月記載

ヒオドシチョウ   蝶の越冬
 家の前の木々は、すっかり葉を落とし、見透しの良い眺めとなった。
遠く望む武甲や三峰にも、雪の頂きを見つける日も近い。こんな寒さ増す時節、蝶はいったい、どうしているのだろう。
 今年の一月のとても暖かな日に、ヒオドシナョウの飛ぶ姿を見た事があった。『こんな時期に!』驚いた。
改めて図鑑で調べてみると、成虫で越冬している蝶が、割りと多く居るのが解った。卵やさなぎの形での越冬が、当り前と思っていたが、寒い冬は、じっと岩影や草薮の中で耐えている蝶も有るのだ。それが、どうかすると暖かな日に飛び出すのだろう。
 さて、蝶の飛び出す程の暖かい日が続けば有難いのだが、現実は厳しい。石油も値上りしたままで、着込んで暖を取る我家の越冬計画が、どこまでもつか?…夜はほっかぶりして寝ると言う友人を思えば、なんの、なんのの我慢大会だ。
 造成や建設と、あまりの急テンポで変わり行く山河の風景。寝ている蝶も、寒さの中で追い出される事もあるのだろう。今宵は、豊作の柚子の風呂でも沸かし、せめて身だけでも温ためて、春の夢を見る事にしよう。