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おがの蝶日記復刻版

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ツマキチョウ (平成2年4月掲載)

 日当たりの良い尾根にはミツバツツジの花が、葉のない木々を透かして美しく咲き出す。山歩きも春の自然の動きの中で楽しくなる。
 木漏れ日がモザイクのように当たる渓流。その中に白くチラチラと飛ぶ蝶が見える。モンシロチョウより小さく見える。「何だろう?」何度かの追跡の後、手にしたのは前翅の先(ツマ)が黄色のツマキチョウだった。昨年6月、この蝶との最初の出会いだった。白く飛んでいる蝶を見ても、モンシロチョウだという先入観で見てしまい、こんな蝶がいるとは知らずにいた。実際に、飛んでいる姿が白く見える蝶をあげると、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、モンキチョウ、ウスバシロチョウ、ツマキチョウと秩父には5種類ほどいる。都会の人が山の草木の中から山菜を見分けられぬのと同じで、蝶も注意して観察しなければ見分けられない。ちなみに黒く見えるアゲハだけでも6種類ほどいるので、また別の機会にご紹介しよう。
 沖縄では既に桜見物を1月中にしたが、秩父での花見を楽しみに、今は沖縄の蝶を追いかけている。こちらではツマキならぬ、ツマベニチョウが初夏の気候のような空を、あちらの花からこちらの花へと舞っている。