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おがの蝶日記復刻版

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 キチョウ  平成元年10月執筆
キチョウ 秋祭りも各地でにぎやかだ。この時期になると、あのいやなカメムシ君が家の中にやってくる。これも、ひとつの秋の風物だ。リンドウも咲きだし、ニシキギも真赤な実をつける。我家のおこたも今月からだ。
 「こんな季節に蝶がいるんかさあ」と思う人は多い。どっこい、目をこらせば、けっこう晴れ間に飛んでいるものです。蝶は卵やサナギで冬を越すものが多いが、成虫で越冬するものもいるのだ。天気も良く、気温が上がると、冬でも姿を現わすのだ。その中で目だつのは、やはり黄色の鮮かなキチョウだ。責色のチョウを全て、モンキチョウと呼ぶ人があるが、今頃はキチョウである事が多い。また、アゲハ等には春型と夏型があるが、キチョウには夏型と、黒い模様の薄い秋型の発生がある。
 紅葉前の色どりの薄い風景の中で、キチョウの黄色は、とても目に新鮮で美しい。「イチョウよ、私の黄色になりなさい」と、飛ぶがごとくである。
 人工的な建築物や、コンクリートの土手や道に、こんな小さな訪問者があると、心が救われる思いがするものです。