小鹿野町で21日、絶滅危惧種の水生昆虫タガメの放流が行われた。同町在住の画家田島昭泉さん(64)が2018年に始めた取り組みで、1か月前に飼育の手ほどきを受けた約10組の家族が集まり、自宅で育てた成虫を自然に戻した。
タガメは農薬などの環境汚染に弱く、県内では絶滅に近い状態とされる。田島さんは自然の大切さを学んでもらおうと、タガメの幼虫を飼育してくれる家族を募り、自宅近くに造成した人工池に放流している。
この日は県内や岐阜県などから約10組の家族が参加。田島さんから7月に預かったタガメの幼虫について、餌やりや水替えなど飼育で苦労したことを
発表した。
タガメは成長するまで脱皮を繰り返す。約5センチまで育て上げた小学5年の男児は、「最後の脱皮を今朝5時頃に見て感動した」と興奮気味に話していた。