第24話 ホテルもレストランもピンからきりまで

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  6月29日 7時半 トイレにたつ。少し蒸し暑い。

 9時半 寝台から起きて席に座る。窓の外は曇り空が広がっている。裕子はすでに臨席の美人のインド人姉妹と話をしている。家族旅行の帰りらしい。ビスケットとバナナで朝食。車内にはミルクたっぷりのコーヒーも売りにきた。ココナッツも売りにきたのでひとついただく。ココナッツのジュースは程良く甘く、内側の果肉は白く透き通り、とてもおいしい。

 美人姉妹のお父さんはプーリーで映画館を経営しているそうだ。姉の方は上手に英語を話すし、上流らしく大学にも通っていると言う。お菓子や果物を頂きすっかり打ち解けた。「家にも来て」と住所も教えてくれた。

 午後6時、ブバネシュワルに着く。インド人家族と別れ、リキシャに乗り、とあるホテルに着く。シャワーを浴びたかったが9時にならないと水がこないとの事。がっかり。おまけに停電していて天井扇も回らない。ボーイのおじさんは僕のパンツを売ってくれと言いだしてうるさい。とんだホテルだ。


linga raj temple

vaital temple
ブヴァネシュバルの寺院はエンジンのようだ

 6月30日 オーダーしていたブレックファストが来ないので外に出る。外には昨日のリキシャが待っていた。1日20Reで観光を始める。ブバネシュワルにはあのエンジンのような寺院がいっぱいある。マヤ遺跡にあるような神様の彫刻、唐草模様の彫られた壁面等、とても独特な雰囲気だ。遅い朝食はリキシャに教えられ駅の近くのレストラン・ベニスインへ行った。エアコンも効いている高級な店だ。ひとつづつ注文する品がとてもおいしいのでたらふく食べてしまった。焼き立てのナン(パン)、深みのある味わいのマダールマサーラ、カレー。コーヒーが実においしかった。


parasura meswar temple 
巨大なリンガ(男根)  この後女の子が花を手向けていった

 午後4時 ホテルに戻ったが、いまだに停電中。

 6時半 夕食も同じベニスインに行き、フルコースを楽しんだ。コンディエンスミルク味の液状のお菓子が美味だった。のんびりと楽しんだ。9時半にホテルに戻ったがいまだに断水。水が来たのは11時近くだった。やっとリフレッシュでき、ぐっすりと眠ることが出来た。さすがにこのシャンカル・インターナショナル・ホテルに泊まっているのは僕たちだけだ。

 7月1日 7時半 さっそくリキシャをつかまえてベニスインへ朝食をとりに行く。ウッタパンと言うものを頼んだら御好み焼き風のパンで、これもなかなかおいしかった。

 6q先のウダヤギリ、カンダギリという遺跡に向かう。リキシャは二人を乗せて必死にペダルをこぐ。彼は1枚のランニングシャツを着ているが、ほとんど着てないのと同じくらいボロボロだ。痩せた体は、しかしとても力強く、パーンをかむ口は真っ赤で、時々ぺっと吐く唾が血へどの様ですごい。暑さの中かわいそうなくらいだ。この遺跡は紀元前二百年ほど前の古いもので、数々の動物の彫刻が面白かった。はるかに続く水田風景はどこか日本に似ていてやさしい。


khandaagiri ジャイナ教の遺跡 BC200

 12時 御昼はやはりベニスインへ。おいしいとなったらメニュウを食べ尽くす意気込みである。満腹満腹!

 1時45分発のバスでプーリーへ。4時には海の見える街プーリーに着く。リキシャに連れられて安ホテルへ。目の前が海だ。2日で50Reにしてもらう。近くに日本食を食べさせるレストランもあるとの事で行ってみる。ちょうど改装で昨日まで閉まっていたとの事。今日はお祝いと言うことで、いもの煮付けをただで頂けた。バブリーという10才ほどのまかないの少年はとてもいい子で話がはずむ。ここはレストランと言ってもベニスインとは格段の差がある。道にオープンな煉瓦積みの簡素な建物である。

 宿に帰り灯を付けると虫が集まってきた。それを食べに、ヤモリや蛙が集まってきた。海鳴り、その向こうに稲光が窓から見えてとても美しい。

 7月2日 6時起床 海辺を散歩する。貝も無く、ただただ砂漠のように続く砂浜だ。数人の漁師とであった。朝食を済ませ、街中へ行く。7月6日のカルカッタ行きのチケットを予約して、郵便局へ行く。日本への便りも最後だ。バザールを歩いたが、この辺のインド人は僕らを余りジロジロと見ないし、しつこくない。のんびりしていて落ち着く。

 ある生地屋さんで、かすりのサリーのとても良いのがあったが手を出せない。ここへ来るときにバスの中でみた女性のサリーがえらく気に入っていたので似たのを探していたが・・・サリーは実はとても高い。五百Re以上はするのだ。平凡なものでも百Reはする。やはり女性の着物にはどこの国でもお金がかかるようだ。

 パイナップルジュースやビスケットを食べながら歩いていると恐ろしいほどのスコール。しばし雨宿りをする。道はあっという間に川となりゴミを流してしまう。道でポカラ(5月2日)で会った日本の女性と出会い懐かしく話をした(だけど、連れの男の人が違っていたぞ!)。

 午後3時 宿で昼寝をしたりのんびり過ごす。重い空に海鳴。雨季に入ったらしい。風は涼しい。

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