第5話 ネパールの新年

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ニャタポタラ寺院の前にてジバン氏と共に 4月12日 チャイ屋でパンとチャイの朝食を取る。微熱が有るので寝ていると、(待ってました)ジバン氏がきた。のんびり歩いてみようと言うことになり、ジバン氏の案内で、ブッダナートへバスで行く。とても古い寺院を見て歩いたが、早い足取りで説明して行くので、結局のんびりと二人でこようと言うことになる。ジバン氏は日本が好きなネパール人で、日本で仕事がしたいと言っていた。いつもサングラスをかけたスリムなネパーリーだ。

 帰りのバスを公園で降りると凄い人だかり。今日はネパールの大晦日?に当たる日だと、ジバン氏が教えてくれた。楽団の行進がドンドンパッパラ行くと思えば、凄い花火の音。「大砲の空砲だよ」と教えてくれた。サリーや男の帽子(トッピ)の色とりどりな人の流れ。物売りや大道芸人。そんな中には、自ら手の甲をナイフで削って、見せ物にして物乞する者(顔も傷だらけ)や、顔に鼻も無く、のっぺらした中に目と口の穴だけ有るような人もいて、こちらはお金を恵む余裕も無いほどびっくりだ!!ロッジから見るとどの家の屋上にも人が沢山居て、外の祭を眺めている。夜中まで楽団がそこかしこで騒いでいた。

 4月13日 今朝は熱はないものの、二人とも下痢。外は雨。のんびり窓から外をスケッチして過ごす。午後、具合いもいいので、NAFA(ネパール・アート・??)へ行く。絵は刺激の無い西洋かぶれの物ばかりで、早々に帰る。途中、後ろ足の萎えた可愛そうな小犬がいたが、まったくだれも興味を示さない。ここでは犬は無益な動物で、とてもひどい扱いを良くみる。日本の犬は幸せである。ロッジの近くでジバン氏に合い、彼のおごりでチャイ屋にてネパリ菓子を食べる。砂糖水に付けたスポンジの様な菓子だった。特に正月らしい騒ぎはなかった。

 4月14日 初めて時間どうりに来たジバン氏に案内され、バドガオンという古い村に行く。中国から贈られたと言う、トロリーバス(1Re)で30分。正月の祭ビスケジャットラで大賑わいだ。五重の塔のある広場では、日本の山車(だし)の様なものを「うぉるせっ、うぉるせっ」と、かけ声を合わせて、みんなで引っ張ってる。日本の山車の原型だろうか?美術館ではすばらしい曼陀羅も見ることが出来た。さて、ジバン氏は、チャイや米をつぶしたお菓子、ポテトのカレーの味付けスナック、ドヒ(ヨーグルト)など、いろいろおごってくれる。そしてビザの事や宿の事、交通の事、仕事の事など聞いて来る。彼には日本はすぐに稼げる天国のように感じるらしいが・・・。僕たちは外食ばかりで高くつくし、野菜不足を心配。自炊もしようと、ガソリンコンロを市場で買う。蚊も多いので蚊帳も見つけて買う。バドガオンのバイラーヴ寺院

ビスケ・ジャットラの山車 4月15日 9時に銀行に行き、TCを換金。僕のサインが気に入らないらしく3度も書かされた。郵便局に葉書を3枚だしに行ったが、今回は5P(パイサ)少ない請求だった。(たまには儲ける事もある!)。二人とも疲れが出たのか、ロッジでごろごろ。3時頃イタリアンレストランで高いけど、スパゲッティを食べる。1人前が3人分はある大盛り。ほとんど食べきれず、持ち帰る。途中、アルミ鍋を買い、チャイ屋へ。入口で裕子が頭をぶつけ痛そうにしてたら1杯おごってくれた。うれしい!

 4月16日 朝早く起きて、ヒマラヤが一望できると言うナガルコットを目指す。トロリーバスでバドガオンまで来て、乗り換えのミニバスの乗り場へ。一人の子供が両手を縄で縛られ、待合所の椅子につながれている。人々が、ぐるりと取り巻いて、怒鳴ったりしてる。何か悪い事したのかしら?。この地では時々ショッキングなことが起こるが、僕たちは傍観者で居るしかなさそうだ。
1時間半バスに揺られ、終点。なんと凄い眺め。山また山、そして雪をかぶったヒマラヤが奥にぐるりと包んでいる。宿の看板を頼りにゲストハウスに行く。窓からも美しい山々が見える。部屋は広くて快適。お負けにチャイを出してくれてサービスもいい。庭先でスケッチしているとビオラの音が聞こえてきた。夕食は、チキンカレーとネパール風定食を頂いたが、今までで一番おいしかった。食後、マイラという気のいいボーイ(13才)に、いろいろネパールの言葉を、教えてもらった。彼は食堂のテーブルが自分のベッドらしい。ここの女主人によく使えている。宿賃と食事代を払いに行ってびっくり!。宿賃はフィフティーン(15)Reではなく、フィフティ(50)Re.チャイも別料金。お負けに、10%の税金付!。全て僕たちの落度。まだまだ旅に慣れない二人でした。おいしい夕食と、最高の夕陽を見たし、質のいいベッド。今宵を、神様ありがとう。なんのその!

祭りを見る人たち

祭りの楽隊

祭りを見る人たちも
カラフルだ





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