平成13年(2001)12月議会一般質問と答弁

 

まず初めに不況の中あらゆる経営を圧迫している今、小鹿野商店街も大変な状況であると言うことは少なからず感じるところであります。商店街は小鹿野町民から見てどのようであって欲しいかを考えたとき、小手先ではなく大きな動きとして、いわば夢のような再生をして欲しいと思うものであります。「長い間の町の希望の南北道路」と言われている道が今少し動いてきているということは、6月の定例会での五十嵐議員の質問でもアウトラインがいくらか見えてきたようでした。思い切った町の動線の変革や開発を計画することは町民に夢を与え、商店街に若者がもどり、小鹿野の一つの顔が鮮明になることでもあります。古き懐かしい街並みはその風情を残し、一方で車社会に対応し、多地域からもアクセスの利く、新しい感覚の消費者に耐える顔づくりの提案を行う時期に来ているのではないかと思います。そこで質問の
1、若者が集い人々が希望を持てる活力ある町づくりのために.
(1)町立病院から299バイパスまでの430メートルの南北道路の計画はどこまで進んでいるのか。その道(通り)の積極的な開発の考えはないか。たとえば駐車場を広く完備し、集中した商店モールをつくり、町の入り口としての公園通りとなるような開発はどうですか。また、吉田町から進められている一本杉峠トンネル開削の計画同調を現時点ではどこまで考えていますか。(工事現場入り口視察

答弁:南北道路の計画等についてのご質問でありますが、この路線の計画は一本杉峠道路開削として測量、設計等を進めてきたところであります。小鹿野町側が町道108号線で、吉田町側が町道幹線8号線となっており、一本杉峠道路開削促進規制同盟会が平成4年度に設立され、事業の推進に努めてきたところであります。
以後、平成7年には、吉田町で過疎対応事業として全路線の測量等していただくため両町で協定書を交わし、平成8年度においては概略設計を行ったところであります。翌、平成9年度には、小鹿野町側が町道108号線について詳細設計を、平成10年度に吉田町側が町道幹線8号線の詳細設計を実施し、地元説明会等も行ってきたところであります。
吉田町においては、本年度一本杉峠に向けて延長500メートルの工事発注をし道路改良に着手をいたしております。
当小鹿野町側の国道299号から町立小鹿野中央病院までの区問の計画についてでありますが、この区間は、国庫補助事業として実施をしていくよう計画を進めているところでありますが、平成9年度に実施した詳細設計では道路構造令の改正に伴ない、採択用件を満たしておらず、見直し設計を平成12年度および13年度において行ったところであります。
今後は、
国庫補助採択に向けて再度、現地の境界立会い、また、地元説明会の開催等を実施し、地権者の方々のご協力がいただけるよう事務を進めてまいります。用地購入に対する価格の鑑定、移転住宅等の補償算定等、委託事業も併せてこれから進めてまいります。
ご質問の中の、この道路の積極的な開発の考えはないかとのことでありますが、国庫補助事業として実施していく上には、一定のルールが定められており、道路構造令にあった整備をしなくてはなりません。駐車場の完備や、商店モールづくりについては、別途事業を取り入れて実施しなければ出来ないと思われます。


一本杉峠トンネル開削の計画同調を現時点でどこまで考えているかとのご質間でありますが、一本杉峠道路開削促進規制同盟会幹事会を開催する中で両町の今後のスケジュールや費用負担、協定書の作成等事務を進めている状況であります。
また、幹事会において、トンネルの開削から国道299号までの間の改良について、
用地補償費を含めた事業費を過疎債対象事業として推進出来ないか、吉田町において検討をしていただいているところであります。
なお、来年度においては、トンネルの地質調査および詳細設計を吉田町において実施してまいります。
今後、いろいろな問題や手続き等が出てくるものと思われますが、吉田町と協議し、有利な方法で、また、
早期にこの道路が開削されるよう進めてまいります。
再質問:町の入り口、病院へのアクセスとしての機能からも歩道のある美しい道となって欲しい。道路の規模はどうか
答弁:12.5mで両側に2.5mの歩道を考えています。
再質問:待望の道にすぐに塀ができても景観が良くない。理想的な道にするためにも都市計画があると思うが規制はどうか?。
答弁:70/400です
再質問:これは建坪率等であって、建物物を道からどの位、離すか等というようなものではない。公園通りを目指して塀や植栽の規制を掛ける考えは?
答弁:道の用地取得だけでも大変なので地権者の了解を得るのが難しい。
再質問:新しい道に雑然と店や大型店などができるのは良くないと思う。この道について商工・商店会の方達と相談を持ったことはないか。また駐車場等の設置はどうか。
答弁:相談はしてない。また、ここに駐車場、モールなどの考えはない。

次に世帯数はいくらか増えるのに、空き家の目立ってきているのが小鹿野の現状だと思います。歯が欠けるように人が住まなくなった家のある集落は寂しいばかりでなく、隣組などの協力体制もおぼつかなくなってきているところもあるようです。17年も経過したでしょうか、日本の中でも先駆的だった、「芸術文化の村づくり事業」での空き家対策効果を見るに、再度しっかりと調査し、町民の理解を得て空き家減らしをする考えはないか。そこで質問の
(2)過疎や核家族化等による空き家・空き施設はどの程度有るのか。その活用としてたとえば、新規就農者、芸術家、工芸家など田舎暮らし希望者に積極的に斡旋・解放する考えはないか。 →2011年:空き家バンク設立(※売りが主で高めの設定になってしまったが・・・地域で始動したことはやっとの前進か)

答弁:「過疎や核家族化等による空き家・空き施設はどのところ把握してございません。また、町有施設では倉尾中学校統合に係わる校舎等の空き施設が存在しております。
しかしながら、田島議員さんにおかれましても、町が過疎化の進行をくい止める対策として実施した、芸術文化の村づくり事業の先駆けとして東京都から転入されたところであり、芸術文化のむらづくり事業での空き家の斡旋等は現在も実施しているところであります。
この事業での、町内の空き家等の提供調査につきましては、平成4年度以降、何度か行政回覧により、区長さんに協力いただき実施したところでありますが、町内には農家の空き家などはあることは確認できたのですが、この事業に協力し、
年間を通じて、貸していただける物件がないのが現状であります。
こうした状況のなかで、小鹿野町に是非定住したいとの意向で、自ら既存の転入芸術家からの情報を入手し、転入してこられた方もおります。
また、
現在でも空き家に対する紹介が、毎月二、三件ありますが、物件がないとお断りしているところであります。
次に、その活用についてでございますが、先ほど申し上げました芸術文化の村づくり事業で転入してこられた芸術家の方は、農家の特性でもある施設の大きさを利用して、アトリエや工房として活用しておられる方もおられます。
また、ご承知のとおり、町有施設の空き施設として旧倉尾中学校の施設がございますが、今後の利用につきましては、現在、町執行部と学校教育課で鋭意検討しておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
今後とも、田島議員さんには、芸術文化の村づくりの先駆者として、また、議員さんとしてご指導いただきますようお願い申し上げ、答弁とせていいだきます。

再質問:私のところにも空き家探しで訪ねる人やメールでの問い合わせがくる。積極的な空き家募集をしてください。
答弁:検討します。

ここでお願い
空き家募集 少子化、過疎化への一策として空き家に田舎暮らし希望者を斡旋したいと考えての意見を議会でしましたが、空き家はあってもお貸ししてくださる方が居ないとのことです。私の所にも空き家はありませんかとの都市部の方から問い合わせもよくあります。何とか紹介したいのです。空き家という財産は持っているだけでは負の財産です。貸して盗られてしまうことはありません。ちなみに私は小鹿野で2軒、合計で12年の空き家暮らしをしました。7年前に持ち家に住むことが出来ました。定住のきっかけ、小鹿野の過疎・少子化対策にもなります。読者の皆さま、是非ご理解と御協力で空き家にともし火を
→2011年:空き家バンク設立(※売りが主で高めの設定になってしまったが・・・地域で始動したことはやっとの前進か。個人的に斡旋したりお手伝いしてきたが人口増加などへ今後を期待する。この年を初め数度の一般質問の成果としたい。)


次に、都会では世知辛い世の中から都市を離れ、本気で農業がしたいという若者がおります。全国の中にはその新規就農者の受け入れに取り組んでいる自治体も多く、実現と成功例が聞かれます。決して大きな収入は望まなくも豊かな自然の中で大地と向き合おうとする人はいるものです。また、リストラの嵐の中で農業をしたいと考える人もいると聞きます。そのような人に歓迎を持って受け入れ、対応することが、今必要ではないでしょうか。これは休耕地が生き返る機会でもあります。そこで質問の
(3)新規就農者への相談窓口と支援の状況、その発信はされていますか。休耕農地活用の施策としての積極的な対応はされていますか。

答弁:最近の雇用情勢は完全失業率が5.4%になるほど一段と厳しさを増しております。当町にあっても、企業のリストラが行われるなど極めて厳しい状況です。こうしたことに対処するため、国県の動向を見定めながら、町でできる対策を講じるため、庁内において雇用対策会議を設置し、地域経済の活性化及び雇用創出に向けて取り組んでいることは、高根議員さんの答弁で申し上げたところであります。産業観光課においては、離職者の中で農林業に取り組む人々ヘ講習答を開催するなどの支援策を検討しているところでございますので、まとまり次第、広報回覧等でお知らせしたいと思います。更に支援等の中で休耕農用地が活用できればと考えております。
再質問:新規就農ガイドセンター、農業振興公社等への情報発信をしているか。センターへ99年度では九千人もの就農相談がある。
答弁:どこに情報を発信するかが大切。研究します

次に全国の自治体で推進されているIT化。多くの予算で設備されたパソコンやLAN、さらにインターネットの接続は業務の合理化や情報収集・発信などに活用されるべきものです。各課によってその活用に違いはあると思いますが現状を伺ういたいと思います。
(4)IT化での役場内の省力化はどのように進んでいますか。余力はどのように活用されていますか。

答弁:IT化にからむ役場内の省カ化についてでありますが、IT化また情報化が進められている今日、町では従前から行っていた住民登録や税、財務会計等業務系電算システムに加え、国の行政の情報化を進める方針を受け、平成11年度から、庁内LANを整備することにより通常業務め情報化を推進しできたところであり、ホームページの公開やロビー端末設置により町民との情報共有等を図るともに、効率的な観光情報発信等の推進を図ってきたところであります。
また、今年度、
電子政府対応の業務系電算システムを導入し、国、県への光ファイバーによる接続を図るほか、町出先機関にはDSL方式による高速通信網の整備構築、来年度から稼働する住民基本台帳ネットワークークシステムへの対応を現在行っているところであります。さらに今後は、国において平成15年度より稼働を予定している総合行政ネットワークシステムを構築するための対応等も求められております。
こうしたIT化等の一連の流れは、事務の省力化のために実施されているというよりも、情報通信技術の発展に伴う社会経済環境の変化に大応し、国民・住民の利便性の向上と生活環境の高度化を図るため、地方公共団体自身も電子化に取り組み、行政サービスの向上を図らなければならないという時代の要請に基づき実施されているものであり、新たな行政需要を伴う行政事務の増加をもたらすものと認識しております。
そしてその導入、運営には
これまで以上に専門的知識をもった職員の対応が必要となり、逆にその充実を図るための人的措置も必要になってくるかと認識しておるところでありますが、現時点では各分野における職員の自己啓発等を通じ人的増員を抑え、今後とも住民の利便性の向上を目指し、更なるIT化、情報化の推進に向かって取り組んでまいりたいと考えております。
再質問:鳩ヶ谷市でのIT化では住民照会機能など業務が激減した部門もある。効率化・簡素化はやるという姿勢で出来ると言っています。またリテラ社長さんの戦略の中でのIT化で「報・連・相」の省力化と短縮化が構築できたそうです。省力化はメールによる紙資料の減量化、情報の即時性・広範性等から努力で出来るはずです。
答弁:努力します。

次に、昨年の12月に一般質問させていただいたときに、花のあるまちづくり事業は秩父地域全体でやっていくということで進めるとのことでした。またモデル地区ということで長若に、できれば秩父方面からクアパレスに行くまでをアピールしたいとのことでしたが、いかがだったでしょうか。また、ガーデニングを取り巻く一般の動向は大きな動きになっており、花を求めての観光も盛んです。暗い時代の光とも言えるような花の活力を活かし、小鹿野に明るい笑顔を取り戻す時と思います。ここで質問として
2.自然も人もすくすく育つ環境づくり
 花のあるまちづくり事業の成果はいかがですか。積極的に花のあるまちづくりを推進ができないか。たとえば地区や隣組などのグループ単位でその人的交流効果もある、花壇づくり支援。景観的にも潤いのある生け垣づくりへの補助金制度。観光的効果もあるオープンガーデンへの展開・支援はいかがですか。

答弁:「花のあるまちづくり事業の成果と今後の支援について」でありますが、花のあるまちづくり事業は県の秩父地域創造センターが中心となって取りまとめた秩父地域活性化戦略のうちの1事業として、秩父郡市内の全市町村で取り組んでいるものであり、全体的な動きとしては、去る4月に秩父地域の花のスポットを紹介した冊子「秩父路花巡り」を発刊したのをはじめ、6月24日に皆野寄居有料道路の秩父側出日付近に花の植哉を行ったほか、9月15目にはミューズパークで開催されたふるさと秩父まつり」に併せてガーデンコンクール等を実施したところであります。
また、町では今年度、商店連盟婦人部のご協力をいただき、
市街地に花の植哉をしていただいているほか、休耕地へのひまわりの植え付けやコミュニティ推進協議会や長若自然休養村による道路脇や休耕地への花の植哉もしていただいております。今後とも、本事業のPR等を進め、事業への理解を深めていただき、より多くの団体にご協力いただく中で、花の種や苗などを援助することにより、更なる推進を図ってまいりたいと考えております。
また、町独自の
補助金等の新たな支援策につきましては、今後庁内の関係各課との協議の中で検討してまいりたいと思いますが、現下の厳しい財政状況のもとでは、スクラップ・アンド・ビルド的な考えをもって対応していくことも必要かと考えております。
再質問:オープンガーデンで多くの集客と地域環境作りに成功している小布施町を見てきたが、一般の家の庭がオープンになることで安く美しいまちづくりが出来る。是非、2004年の埼玉国体に向けても推進して欲しい。
答弁:検討します。

最後の質問は先の議会で五十嵐議員が「珍品館」の発想を変えて地質博物館への整備充実をと訴えておりました化石館についてです。化石館が小鹿野の奈倉にできたのは『ヨウバケ』そのものがそこにあるからです。ヨウバケは町の天然記念物でありますが、これは日本の中でも唯一貴重なものであると言うことは多くに人が認識するところであります。町立そのものを格上げし県の施設として充実を図り、埼玉県の多くの人に学習の資料として欲しいと思います。長瀞は岩畳で有名な天下の景勝地です。変成岩のすばらしいながめと瀞の流れがそこにはあります。秩父を代表する自然を語る施設としての長瀞自然史博物館に対し、化石に関してはパレヲパラドキシアの発見やチチブサワラなどの発見がある小鹿野に化石の中心を持ってくるべきです。その研究部門も置き、今後も新たな発見や情報の発信基地として活躍して欲しいと思います。そこで質問の
3.21世紀の文化・教育のために
 長瀞自然史博物館の化石部門をおがの化石館へ移し、町立を県立へ格上げし、指導員(学芸員)を置く考えはないですか。
答弁:おがの化石館は、平成3年リゾート地域農林業振興対策事業として整備されたものでありますが、その後入館者数も年々増加し、昨年は4,112人の利用者があったとのことであります。こうした状況からより教育的、より学術的な施設への転換を目指してのご質問かと存じますが、まず常識的に考えてみますと、化石館建設にあたっての制度上の制約があること、また、町から県にたいして施設を移管するための手続上の問題と併せ、意思決定が相手次第であることなど様々な問題点が考えられるところであります。現在、化石館は10年目を迎えておりますが、その設置目的は地域農林業の活性化の推進であります。建設にあたっての県費補助金の処理をどうするか、町の農業政策が問われることでもあります。
また、町から県にたいして施設を移管するためには、なによりも長瀞自然史博物館側として、小鹿野町にある化石舘を必要な施設として認めるかどうか、博物舘側の判断にゆだねるところ大であります。博物舘としての要件を満たしいることもひとつの条件になるのではないかと考えますが、いずれにしましても、以上申し上げたようなことから、早急な対応は困難であります。今後、ご質問の趣旨を生かし、
おがの化石館の充実が図れるよう、長瀞自然史博物館との連携・協力体勢を築いてまいりたいと存じますのでご理解をたまわりたいと存じます。

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