みんなで考えよう 秩父の自然

秩父の森林・老樹巨木を守る シンポジウム

2006(H18)6月4日 秩父市伝承館にて pm1〜5 聞き書きをまとめました。


NPO法人秩父の環境を考える会
秩父未来会議「秩父まほろばの会」
NPO法人野外調査研究所

埼玉県 秩父市 埼玉森林管理事務所 水資源機構荒川ダム総合事務所 埼玉農林公社
秩父広域森林組合 東大演習林 さいたまグリーン・エコッーリズム協議会
埼玉県林業経営者協会 埼玉県博物館連絡協議会秩父地域館



北堀篤県議「秩父の木を利用し、匠の技を活かした住宅を・・・」

調

 講  師 秩父未来会議代表(秩父神社宮司) 薗田 稔
 演 題 森林文化と現状を考える「秩父まほろばづくりのために」
    (以下レジメを要約しお話の部分などを書き加えました。)
グローカリゼーションの時代
   グローバルな課題;地球規模の環境保全「持続可能な開発」としての森林問題   
   ローカルな課題:日本の森林文化にもとづく「まほろばlづくりの提唱
   「日本語を活かせる文化と心を伝えることが重要。古里は去りし田舎のイメージだがまほろばは本来の豊穣の地、人間の故郷」

栗原稔市長「森と水のちからほとばしる活力あるまち」

柳田国男「大体日本の町の発生にはよほど欧羅巴の多くの町と異なった点がある」「町と称しながら三方里五方里の大地域を含み深山を含むといふことは・・・我国の特色で又町行政の問題の今後一層研究(さるべき点)。寧ろ曾て発生した町を健全に育成して、個々の盆地に或程度迄の割拠経済を容さねば、大市街ばかりが振って田舎の衰微を免れぬこととなるの虞があります。」(明治42年講演「町の経済的使命」)

T 作品「森をつくる話」の上映(17分) :  熊本・吉無田水源林の造成と神信仰/青森・松禄神道大和山の造林事業/広島・原爆被災の鎮守の森再生事業/北海道えりも岬緑化事業/気仙沼湾「牡蠣の森を慕う会」“森は海の恋人”植樹祭
   「西洋ではギルガメッシュがフンババに森を造らせた(人工)。日本は神が森を創った(自然への畏怖)。スサノオがを抜きにした。の国のイタキソ神社へおさまった。」
U 伊勢の神宮と「式年遷宮」の意義
  皇大神宮・豊受大神宮など125社。天武天皇14年(685)−平成25年(2013)
  「20年ごとの立替は立派なリサイクル。1万本の檜を育てた。解体した材木の一本も無駄にはしない。森を育て技術を伝える。
   森の開発はその下の田を創る開発は豊だった。」
V 「森に棲む神々」一日本人の神聖感覚とカミ観念(隠れた生命的霊性)
 「なにごとの在しますかは知らねどもかたじけなさに涙こぼるる」西行(異本山家集)
  「尋常ならずすぐれたる徳のありて可畏き物を迦微とは云なり」本居宣長(古事記伝)
  カミ(神):クム(隠む)コム(籠む)クマ(隈。熊。隅)/カミ(上)阪倉篤義

W 「日本のコミュニティ」の集落原理−「奥」という空間秩序
   水源の山麓を背後に鎮守の森、参道の先に集落を臨む。カミ・ミアレ。マツリ

おわりに 秩父の「まほろば」づくりと未来会議                       
 「大和はくにのまほろばたたなづく青垣山こもれる大和しうるはし」倭建命(古事記)
 『秩父ふるさと鎮守の森プロジェクト』事業の推進





テ ー マ 秩父の森林・老樹巨木とエコミュージアム (以下は聞き書きの要約です)
コーディネーター 秩父の環境を考える会  鷹啄  茂




秩父の老樹名木(元東京農工大学林学部教授) 新井 雅夫
「平成8年から4年間巨木調査をした(48カ所)。知名度が低く残念。案内板を設置していただきたい。高い木には避雷針を付けてはどうか。このままでは巨木はなくなってしまう。新たな立派な木を見つけ天然記念物として指定して行く必要がある。」(スライドと共に秩父の巨木の現状を語っていただきました。)
秩父緑の回廊の巨木(埼玉森林管理事務所上席調整官)  星野 良ニ
「いわゆる営林署の10人の職員で2000ヘクタールを管理している。木材生産という考え方から森林の公益性を重視してきている。
 @国土保全A水源の涵養。B自然環境教育 緑の回廊は全国で19カ所計39万ヘクタールになっている。」
エコミュージアムと森林資源(日本エコミュージアム研究会理事) 大山由美子
「フランス語でエコミュゼ。ecology museum(生態学博物館)。地域環境と人間の博物館です。地域に暮らす人の心の回復。地域資源の見直し。新しい産業の創造。郷土愛をはぐくむ。
日本では出石(いずし)川のコウノトリの野生復活への取り組み。自然環境と文化、教育につなげる。
エコミュゼは日本では山形県朝日町、千葉県富浦でのビワの活性化事業。
エコとはエコロジーとエコノミーの両点がある。活動は民間が基本となり官が後押しか」
コメンテーター NPO法人野外調査研究所理事長  吉川 国男
「考古学では500万年前に森から出て人類になったとしている。森は人類の故郷。鎮守の森を研究すればその地域の自然が解る。巨木調査では環境大臣賞を受賞された。木が枯れる原因は水、ガス、病虫害、雷、火の順か。秩父と名の付く植物はチョット調べたら23種あった。秩父には472種の植物がある。調査されたカツラの木は樹齢1470年とでた。1500〜2000年の範囲である。ある人が言ったが秩父は車から降りて7〜8時間も歩くところがあるのは珍しいとのことだ。それだけ奥が深い。江戸時代の官地として御林山(おんばやしやま)がすでにあった。立派に管理されていた。明治になって民間などに売り払われた。商売もエコムゼに取り入れられなければならない。自然再生法によって美しい自然にもどしましょう。自然と文化を合わせれば秩父も世界遺産になれるのではないか。美しい自然を子供達へ伝えたい。」

大変勉強になった4時間でした。小鹿野にも巨木があり紹介されましたが危機的状況のものもあるようですので守って行きたいものです。あらためて自然の大切さと子供達への教育などを考えさせられました。幸い私の住む奈倉では地域活動も盛んですしエコボランティア団体もありますので、さらに大きく育てばと思いました。
コメンテーターからは先生の参加が少ないのではないかと指摘がありましたが、見回すと議員も私以外は久喜邦康市議のみのようだった。30人も市議がいるのにどうしたことだろうか。

参考リンク   中川町エコミュージアム   新潟・浅草山麓エコミュージアム  エコミュージアム関ヶ原   その他の検索結果

「森は海の恋人」まほろばシンポジウム環境フォーラム「四万十川に学ぶ」のメモも参考にして下さい。
小鹿野町の巨木を探索しました。2006(h18)8/1〜2

講演をする薗田氏 

パネラーの方々