田島昭泉詩画集

2016年7月発刊

オールカラー60ページ  A5版  送料込み1000円

佐々木直幸さんより評をいただけました。
 「浄化する木」へ
昭泉曼荼羅は平和を貪る、あらゆる日常に向けて差し出される手紙に貼られた切手だろう。
正方形や長方形の金剛界・胎蔵界。生命が彫られ、その始まりと平衡が描かれたそれらは、田島さん家の日々の記念切手でもある。そして静かな憤りと愛するものたちへの真摯な眼差しに満ちた言葉による「想いと憂い」の素描の数々。
それ故、これまで配達される
ことのなかった手紙だが、その一行一章は、ジャコメッティの立体のように清冽で無駄がない。
本書は、田島昭泉の今の今、昔の昔を伝える豊穣なイメージと
至純なメッセージにあふれたグラフィカル・レターである。
311以後、暗く重苦しい汚れが漂う、不穏で混沌としたこの国この時代。本書に播かれた種子は、そこに生きる私たちの精神と生き方・未来にどんな風に芽吹き、咲き、実り、繋がるだろう。

詩画集の「はじめに」と「あとがき」の文紹介

はじめに

絵筆を持ったと意識し始めたのは35年前
社会に入って行く自分の不安と同時に
私とは何だろうかという疑問だった。
絵を描いた分だけ
世界の一部とつながった気がした。
詩は共通語で伝えたい何かがあった。
絵と詩で自分の場所と心が見えてきて安心する。
しかし常に崩れて行きそうになる自分を
繋ぎとめる為にも
絵と詩を使って世界との送受信が必要です。

            平成28年7月2日(2016年)


  あとがき

25歳の時の1983年にインドを100日間かけて
裕子と二人で旅した
その年に田舎暮らしを始めた
畑にまいた野菜の種が芽を出した
自分のこどもも生まれてきた
その感動が一気にあふれ作品になった
水彩画もやれば版画もやり、陶芸もやり
溶接で鉄の作品もつくった
絵のテーマは生命の誕生、種、たまご、ふたば
幻想秩父の風景、魂の風景・・・
しかし3.11ですっかり生活が変わった
核が脅かす危うさ
未来は真っ暗になった
生きていくことを未来につなげたい

たし゛ましょうせん
田島昭泉 プロフィール
1957年 川越に生まれる
学生時代に自転車で野宿の日本一周
沖縄離島めぐり野宿60日
1983年 インド・ネパール100日の旅。
秩父郡小鹿野町の標高700mの廃屋へ転居
1986年 夏休み子供自然塾を始め、以後15年間開催。
沖縄へ避寒移住(88.12~89.3)(90.1~4)
1994年 手作りの自宅建築をはじめ95年6月入居
【個展、企画展】
1982年「絵日記曼陀羅巻」:ギャラリー資六画(高円寺)にて初個展
1986年「田島昭泉の宇宙展」:美術ジャーナル画廊(銀座)にて初企画個展
以後個展、グループ展多数。
【表紙絵装画】 現代インド文学選集1~7(めこん社)
 阿刀田高「不安な録音機」(中公文庫)
 立松和平「彼岸の駅」(福武書店)
 江波戸昭「民族音楽・出会いの旅」(音楽の友社) 他

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