壇上での質問原稿

平成12年12月定例会

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ただ今より、通告しておきました。一般質問をはじめます。

私にとってはじめての質問でもあり、質問も自分自身の感じたことからはじめることとなりますので、それぞれのテーマで自分の生活体験と人生経験で感じたことを含めてお話して見たいと思います。

まずはじめに私のテーマである

自然も人もすくすく育つ環境づくり。を元にお伺いいたします。 

 私は17年前に東京の新宿から小鹿野町に引っ越してきました。夫婦二人の意見が自然豊かな中で生活したい。家賃が安く、広い家で暮らしたい。そんな思いが強く空き家探しをして、越してきたわけです。実際に芸術関係の人は広いスペースと自然を求めます。豊かな自然を求めるのは人間の基本・本能で、人間が自然なものだからです。人は努めて自然を求めます。豊かな自然は私たちに多くの感動と英気を養ってくれました。地域の文化活動にも仲間に入れていただき、東京では考えられない心の通った地区のおつき合いもできました。

 しかしながら、私たちが倉尾地区の奥、長久保に7年暮らし、その間に感じ、そして見たものは街から離れた山暮らしの大変な点と豊かな自然が壊されて行く姿です。どんな逆境も発想の転換で豊かさや楽しさに昇華してました。でもどうしようもない事もあります。

 ダムの工事が始まり、夏にはいつも泳ぐ川が破壊されました。たったひとつの淵と飛び込みの岩が無くなっただけでも、子供達の声はそこから消えて行きます。明らかに魚もいなくなりました。この夏で14回を迎えた私の主催する自然塾のカリキュラムの中でも日尾の川では対応できずに群馬の神無川に行き泳ぎ魚釣りをするようになってしまいました。

 山では豊かな雑木林が伐採され一面が杉・檜になり、山野草が無くなり、蝶や鳥までもが明らかに少なくなりました。さらに手入れの行き届かぬ杉からは多大な花粉。花粉症の人には恐ろしいほどの黄色い風が吹きまくる最悪の春を迎えます。それはわずか5年から10年の中で私が見てきた現実のことです。

 さらに、越してきた奈倉に住んで解ったのは目の前の赤平川が上と下ではその水質に大きな差があることです。川底はぬるっとしていて清流とは言えません。資料によれば、都心部に近い高麗川の方がずっと清流だと言うことを以前見て愕然としました。「川が汚いのでプールで泳ぎなさいでは困る」と前町長も言っておりましたが、その通りなのです。はからずも私が30年近く前に自転車で川越からやってきた当時のヨウバケ前の清流と、そこに遊ぶ人たちの姿は今はどこにも無いといえます。さらに、日本有数の記念物としてのヨウバケはその目の前の廃屋等の放置で価値も落ちたばかりか危険でもあります。事故があったら誰が責任をとるというのでしょうか。1度は訪ねた人も2度とは来て下さらない様で、ましてや入り口で帰る人も多々見受けられる始末です。

 次に、外から車で国道299号を来て感じる点です。小鹿野のバイパスに入ると、正面には両神山、下りには正面に武甲山。秩父を象徴する山が2つも見える、すがすがしいバイパスの道の風景こそが「ああ、小鹿野に来た」「おがのはいいなぁ」と感じる開けた道でした。今は家が建て込んできて両側の田園風景は消えつつあり、どことも変わらぬ道になってきております。同じように他の小鹿野の道と風景は変わって行くのでしょうか。現代では車から見える風景こそが人を誘う第一歩。そこに小鹿野の売り物である「緑と清流の町・小鹿野」の看板の文字は偽りになってしまいます。ここで質問として、

1.自然も人もすくすく育つ環境づくり

環境的にも誇れる町として、小鹿野は総て公園と考えての美しい町づくりで町内外にアピールしてはいかがですか。

 @水や空気やゴミの管理、山、川、風景の保存や整備についての現状はいかがか。

また、景観的にも優れているものや、その保存につとめている個人や団体を奨励・アピールしているか。答弁

 A環境に優しい自転車の利用を考えた道路網の整備はいかがなものか答弁

 B自然環境をアピールしての山村留学や菜園付き町営住宅でのセカンドライフの呼びかけはいかがか。また、クライング・ガルデン(市民農園)の取り組みはいかがか。答弁

次に

21世紀の文化・教育のためにをテーマに質問します。

 私が越してきて、時の町長はそれを見るとすぐ空き家対策と過疎対策とを合わせて「芸術文化の村づくり」事業として展開しました。そして、その関係の入居者はしっかり根付き、「一般町民を含めた活動体you遊会」に発展し、先の芸術イベント「小鹿野画衆国展」に開花したと言えます。外の目で見て小鹿野に眠っていた蔵や館などに価値を見つけ、展示場としました。不断は人も通らぬ路地も演出次第で、すばらしい小道になり、街中が歩いて巡る公園のようだったともいわれました。眠った素材である間伐材1000本の利用、竹の利用、砂岩の利用もしました。古くから細々とあった、あんどん絵を千三百個も作って並べました。全て小鹿野の自前をテーマにしたイベントでした。絵・写真・書道・彫刻などだけでも小鹿野にはこんなに創造的人材がいるということを再発見し、アピールできたと思っております。

 そこにはおおらかな人と人との交流や人材発掘の喜びがあったと思っております。この地ににあるものの活用と演出で相当な話題作りや生き甲斐を作り、発想の転換で同じ物も価値が高くなることが理解していただけたと思っております。が、しかし現在はその時の転入した作家も家の老朽化や呼びかけただけでこれと言った政策もなく、他町村に移りつつあります。残念な想いです。

 さて教育についてですが、国はIT、ITと盛んに力を入れているようですが、まだ町長はじめ多くの町民もホームページを持つには至ってないと思います。小鹿野町の学校もパソコンを使っての授業もあるようですが、まだその効果のほどはほとんど聞こえてきません。パソコンを利用した授業数では吉田や両神などの学校の方が多いようです。

 また、「社教連携」と言って、地域社会と教育現場との連携による地域教育も叫ばれております。開かれた教育をめざし、社会人や父母の身近な人材を学校教育に活かし交流することが必要と思います。普段生活する地域の中に学ぶものが多くあることを子供達は知ることで、地域を見直し、大切にし、よりよい地域を考える思考を持つのだと思うのです。

 行政との連携も必要と考えます。一般家庭からも学校からもダイレクトに行政サイドにコンタクトがとれて、会話できるシステムを考え、意志の疎通を図ることが未来の小鹿野にとっても重要なことと考えます。

 先端の文化に触れ、地元の文化に触れ、多彩な選択肢の中から子供達は伸びて行く可能性も広がるものだと思います。僻地や少人数になればなるほど情報交換と深く地元に根ざした教育が可能であり、同時に必要なものだと思うのです。

 そしてまた、今、過疎や少子化の中での大変な時期を迎え、特に倉尾中学の統合については小鹿野の行く末をも含めて考えるべき大事な局面に来ております。ここで質問として、

 2.21世紀の文化・教育のために

その1,倉尾中学統合について町長の13年度統合の意志表明後、その方法や時期などについて問題点が浮上しているが、現時点で町長はどう考えているのか。答弁

 その2,地域文化は「町の宝」です。これを育成支援、アピールはどの様にしているか。また、多方面で人材の掘り起こしをして人材バンク化して登録し、社会・教育環境に結びつけられないか。→答弁

 その3、学校・行政・町民とリンクした町ぐるみの情報網を確立し開かれた町小鹿野を作れないか(IT推進・FM局開局・JA有線利用など)答弁

その4,芸術美術の街角、公園、町内施設の壁や空間での展示、公共の印刷物等への刷り込み、さらに公共工事物や建物建設に積極的な利用の町づくりはできないか。答弁

つぎに

若者が集い人々が希望を持てる活力ある町づくりをテーマにします。

 若者が未来の小鹿野を背負って行くことは言わずもがなですが、その若者に対しての施策がどれだけなされているのか質問したいと思います。

 若者と言っても中学生、高校生を含め20〜30歳代、今の長寿社会に置いては40代の人たちまで幅広く考えなくてはいけないと思います。中学生ともなるとマスコミや雑誌での情報収集もいち早く、ファッションやら遊びに、とかく都会に足を運ぶようになります。都会に足を運べる若者も運べないものも、都会にあこがれ、その生活や、あふれるものを求めます。ですからこの土地に如何に夢中になれるものがあり、発散でき、新しさを感じるかが必要です。

 逆に都会の若者にとって、小鹿野に何が求められているかも考えるときだと思います。

 そのための意見や要望をどの様に取り入れ、施策して行くかと言うことです。

 図書館、スポーツ施設はもちろん。町営住宅や保育施設に関して、商店街含めた町の活性化。若者がアピールできる場の創設などを積極的に考えて欲しいと思います。

 産業分野ではそれぞれに努力してると思いますが、雇用も増えるような行政サイドのバックアップはもちろんですが、同時に若者が住みたくなる、住み続けたくなる環境が必要と考えます。今は在宅勤務業種を含め、田舎でできる仕事もあります、IターンUターンで若者を呼び戻す施策を考えるときでもあると考えます。ここで質問として、

 3.若者が集い人々が希望を持てる活力ある町づくりのために        

 その1,図書館・町営住宅・スポーツ施設・商店街など若者の希望は行政に届いているのか、時代に応えた施策がなされているのか。答弁

 その2,小鹿野には他町村に負けない無料や割引の制度があるか。アピールしてるか。答弁

 その3、在宅勤務型労働者やSOHO等の誘致、IターンUターン対策はいかがか答弁

 その4、分かりやすい町政とアピール、行政の若返り化など行政改革は進んでいるか答弁

 以上、壇上での全ての質問でございます。

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