定住自立圏構想 「明日の秩父を語る会」
2009/7/11
■講演 椎川忍氏(総務省地域力創造審議官)
- 人材育成 学校ではうちの地域はどうなのかを知り、どうするかを考える「まちづくり教育」が必要である。大学に求められる今後の課題。問題解決できる力が無くては就職できない。自然体験なども活用。
- かつて農村には「宮本常一が見た日本」に出てくる世間師という人がいて広く歩いて生活の改革をしてきた。
- 広域で合併した所の検証。コミュニティをどうするか。全て大きな市のシステムにするのは間違い。小さい方がいいこともある。
- 300人の小さな集落でニッチな産業を興した。お金よりも働けることが生きがい。
- 姫島村では全体の給与総体は減らさずに給与を低く(ラスパイレス70に)してアルバイトを増やした。多くの参加でサービスを高める。
- 中心に全てを集めずに各地域で役割分担が必要。その距離はITと道路が結ぶ。
- 秩父は三大都市圏にありながら東京への通勤通学ができていない独立したエリアである。だから自立圏が必要。
- 秩父地域は資源がいっぱい有りすぎる。だからまとめるのが難しい。ターゲットを絞ることが必要。都市に売り込む。
- 日本は3000年続いた農村文明。縄文弥生を含めれば1万年の脈々とした時間の流れがある。アメリカは100年か200年の物質文明。非常に危うい。次なる文明はサスティナビリティを持った日本の文明を活かしたものになる。農村文明を守らないといけない。日本人の足は縄文と弥生の二本足だ。
- 地域興しはお金ではなく人である。住民参加という言葉がよく使われるがこれからは公務員参加型地域興しにならなければいけない。
- 足らないものは外から持ってくることができる所が成功する。外からの目、東京からの目が必要。
■報告 秩父市役所市長室参事 兼 定住自立圏構想プロジェクトリーダー高橋範充
- 7万人であきらめていたものでも11万人ならできる事がある。
- 国からの財政支援。まず市と町による協定を締結し事業を予算化し実施する。あとで地方交付税で支援される。
- 取り組みとしては医療、福祉、教育、土地利用、産業振興などの強化。ネットワークの強化、圏域マネジメント能力の強化。
- ワーキンググループによる月一の勉強会を実施している。
■この広い秩父地域には広域で共に力を出し合うシステムが市町村圏組合のように、さらに必要だと思っています。元日本政策投資銀審議役の大岡哲さんがすでに2003年に論じているように、わたしは今回の自立圏構想にはおおむね賛成です。田島昭泉
2009/3/19秩父市の中心市宣言→朝日新聞