県費栄養士削減問題

  しょうせんレポート           
現在 平成14年度の予定は
給食共同調理場
小鹿野中学校335人
 三田川中学校83人
 三田川小学校125人
     計   543人  
         (596食)
          栄養士:清田さん
          調理師:6名
給食共同調理場
小鹿野中学校335人
 三田川中学校83人
 三田川小学校125人
倉尾小学校  31名
       計→574名へ  
         
          栄養士:清田さん
          調理師:6名
小鹿野小学校488名
倉尾小学校  31名
計     519名 (→654名分に)
※単独校なので調理場設置条例での所長はおいていない。
 
          栄養士:嶋田さん
          調理師:4〜5名



小鹿野小学校488名
※単独校なので調理場設置条例での所長はおいていない。
 
         栄養士:嶋田さん
          調理師:4〜5名

この調理場の栄養士さんが
長若の調理場を兼ねる。
給食共同調理場
      長若小学校112名
      長若中学校 54名
計    166名(193食)
 
     栄養士:坂本さん
調理師:2名
給食共同調理場
      長若小学校112名
      長若中学校 54名
計    166名(193食)
    
    この調理場に栄養士さんがいなくなる。
    調理師:2名
      
2002/3/10(日)電話でのレポート  長若担当(坂本Sさん)
●調理師は100食に一人の考えなので、長若は2名しかいない。相乗的に大変な状況。
●栄養士も調理に協力しないと成り立たない状況である。
●調理師も一人は早出(7:15に納品チェックなど)があるので一日交代になるので大変。
●栄養士が事務職も兼ねているので仕事量が大変である。→そんな栄養士が現場にいないとなると教員の協力まで必要になる事態ではないか?
●地元の野菜を使えるのは細かな配慮がないとできない。→(顔の見える)野菜の利用は大切なことではないか?
(5月〜12月はキュウリ、キャベツ、白菜、大根、にんじん、ジャガイモを地元で)
 
2002/3/11(月)電話でのレポート  鹿小担当(嶋田Sさん)
●鹿小と倉小で同じ作業(献立・発注)を2回繰り返さないとできない。(給食費も違う)
●行事など違うし、その変更などについて行けるか大変心配。
○ジャガイモ、キュウリ、タマネギの少しは地元を利用。
○24日に一ヶ月分を業者に申請。15日前には変更がぎりぎり可能。
 
2002/3/12(火)電話でのレポート  鹿中担当(清田Sさん)
●+30食つくるのはいいが、洗浄や配送のために早く仕上げなくてはいけないのではと心配。 専属の運転手がいない(用務員さん代行)
○調理の手伝いもする。ふるさと月間ではいくらか地元の野菜も使う程度  ●事故

2002/3/13
●小鹿野小では栄養士さんが月に3回ほど倉尾に行かねばならず、多忙ゆえセレクト給食が無くなった。

●一般質問へ

栄養職員1名減について    職員の声
                                                 2002/3/13資料入手(一般質問後入手)
長若小学校

○子供たちの学習環境をより良いものにするために

倉尾中学校が小鹿野中学校に統合したことによって、県の基準では小鹿野町の栄養職員が3名から2名になるそうです。現在、どこの学校から引き上げられるかはわからないということですが、どこの学校から引き上げられてもたいへんです。
町として倉尾中の統合によって、栄養職員が1名減ることについて、みとおしをもった考えがあったのでしようか。
県費の事務職員も13年度は1名増え、全校に配置されました。
しかしその時、町の事務職員が引き上げられてしまい、県が条件整備をやっても、町が引き上げてしまうのでは、もともこもありません。
町として学校の条件整備をどう考えているのでしょうか。
小鹿野町にはずっと以前から、小鹿野小・中以外の学校には用務員さんを配置していません。町の事務職員も県費の事務職員がいれば置きません。
小規模校は軽視されているのではないでしようか。
栄養職員についても長若のような小規模の共同調理場から引き上げようとしているのではないでしょうか。
子どもたちの学習環境をよりよくするための条件整備は、これからの町独自の姿勢としてもより求められるのではないでしようか。
学校給食は、子どもたちの成長・発達、命にかかわる大事な教育活動です。
大阪の堺市で、0−157の食中毒により児童が死亡するという、あってはならない事故がありました。
安心して食べられる給食づくりは、各調理場に栄養職員が必要不可欠です。
県の基準でおけなくなる学校の栄養職員を、ぜひ町で配置していただきたいと思います。


○栄養士の引き上げの方針に対して

県の規準で小鹿野町に栄養士は2名しか置けないということについてはやむを得ないと思います。ただし、その措置が、倉尾中の統合問題に端を発しているということで、町、あるいは教育委員はそこまで見通しをしていたのだろうか、、、、、と考えざるを得ません。
今年度は、特例ということで置いて頂いたことについてはありがたかったのですが、来年度、引き上げになるとしたら、いったいここの職場はどうなるのか、予測すらつかないような状況です。
まず第一に栄養士の仕事は、想像以上に大変だということです。
私はすぐ隣りにすわっているのですが、献立づくりのように目に見える仕事だけでなく、栄養価計算、発注、業者との連絡、支払い、給食費の会計、共同調理場の町の予算管理、栄養指導などなど、素人の私が数えるだけでも、このくらい上げられます。
突発的に材料の不足やら、変更などで電話するやら、調理場と行き来するやら、とにかくよく動いています。
この仕事をする人がスポっといなくなるなど考えられません。
長若小には町の事務職員もいないし、用務員もいません。特配の教員もTT加配もありません。今の状況でも手いっぱいですので、ささいなことでも、仕事をこれ以上ふやすことはどう考えても無理です。
もし、そうなれば、今やっている仕事、教育活動そのものに支障をきたすことになります。
ぜひ、町で栄養士の配置をしていただくよう、せつにお願いします。


○栄養士さんがいなくなったら、困る!

子どもの様子や、地域のことをよくわかって、献立を立ててもらっている。
他校の栄養士さんでは、子どもたちの顔がみえない。子どもに対する気持ちが全然違うと思う。
担任が「今日の給食は、子どもたちが・・・だった。○○君は・・・というようなことを言ってましたよ。」というようなことだとか、栄養士さんが「子どもたちの反応は、どうでした?」というような会話がしよっちゅうあるから、食にたいする担任の気持ちもだいぶちがい、苦手なもののある子への指導、声かけもよりよい方向へいける。
子どもにとっても栄養士さんが、時々教室にまわってきてくれ、直接声をかけてくれるので、給食に対する想いも違う。
ただ、3食の1食を食べているというのでなく、栄養のことに関心をもっていると思う。
職員として、栄養士さんの仕事をかわりにやれと言われても、絶対に出来ません。
一部であったり、担任の仕事を減らしてもらったとしても、専門的な仕事なので、できません。
もし、誰かがやらざるをえなくて、何人かで分けてやったとしたら、たくさんの支障が出てくる。
倉尾小がそのよい例。中学校も食べているのだから、半分、中学校でも助けてもらいたいと言っても、調理場は小学校の方にあるのだからということで、絶対に手助けしてもらえません。
直接その仕事を分担された人は本業が間に合わなくなるほど、たいへんなようです。それでもどうにか、給食がまにあえばまだよいのですが、調理室の方でも、ボロボロとたいへんなことがでてくるようです。
忙しくやるので、注文書のチェックができないため、足りない物が出てきて、買いに走ったり、足りない分水をたしたり、小麦粉をまぜて量を増やすなど、味が落ちて子どもから、不平がでたり、親たちも何とかして欲しいなど、学級懇談会などの折、かなり意見がでました。
倉尾小のように、少ない人数でもたいへんだったので、長若小では、もっともっといろ
いろな問題が出てくると思います。


○栄養士さんがいないと、その仕事を誰かが引き受けることになる。

例えば・材料の発注
発注を忘れたりすると大変なので夜も眠れなくなる。

・督促状
郵便局や農協へ行ったりする時間がない。
持ってきた児童に領収書を渡したり、お金を通帳に入れたりするのがすぐできず、忘れたりする。
・もし何かやらなくてはいけなくなった時、子どもと向き合う時間が短くなる。つまり、家庭学習もページに◎を付けるだけで、励ましの言葉や賞賛の言葉も書けなくなり、子どもはやる気を失う。
仕事が忙しいと、叱らなくてもよいところで子どもを叱ってしまうようになる。(忙しくて思うように動けないから)
以前、倉尾小で、養護教論がいないとき、保健主事をやったことがあるが、大変な思いをした。
問診票を配り忘れた。→家庭に配り歩いた。
校医さんが来るときには、子どもたちの給食をほっぽり出して、スリッパを用意したり、出迎えなけれぱならなかった。
つまり、クラスに全カを出して向き合えなくなる。
栄養士さんがいることによって、子どもたちの声がすぐに給食に取り入れられた。
家庭科でも専門職の声がきけなくなる。


○栄養士の配置が無くなると、職場の中でその仕事が分担されるため、自分の仕事がおろそかになったり、子供への対応が十分できなくなることが予想される。
また、資格を持たない者が、栄養士の仕事を担うことで、その仕事の内容は従来のように子どもたちのことを重視したものにはなりえないし、O−157のような食中毒が発生した場合には、責任間題の有無も問われることになるかもしれない。
いずれにしても、職員や子どもへの負担が大きくのしかかってくることには間違いないと思う。
学校給食を美味しく、バランスが考えられたものに、そして学校生活が円滑に安全に進められるためにも、栄養士の配置を継続して頂きたい。


○倉尾小の時も特配(へき地)または用語教諭が注文におわれていました。
実際細かい仕事がたくさんありますので、それを担任又は担任外の職員で処理していくとなると、絶対に支障をきたすと思います。
どうして、小さい学校だからといって、そのしわ寄せを1つの学校にもってくるのでしょうね。


○調理師さんの声
現在2人で193人分の給食を作るのが目一杯です。今以上仕事を増やさないでください。なぜなら、現在でも交替で一人が早出(7時15分)して、湯を沸かしたり調味料を計ったり、納品された品物の数や量が納品書どおりにあるかどうか調べます。もう一人は7時55分に出勤して、すぐ野菜の下処理等をやり始めます。
週2回又は3回、早出しなければなりません。他の調理場のように5〜6人いれば週1回ですみますが、長若は米飯給食が導入された時に、調理員の増員がありませんでした。
小鹿野共同調理場では、1人増員があったし、小鹿野小の炊飯をする事になったときに、もう1人増員がありました。
町内の4ケ所の調理場を比べても1人当たりの仕事量は一番多いと思うし、自分の体のことを考えたら、これ以上の無理はできません。
子どもたちが喜ぶ手作り給食やバイキング給食、セレクト給食の時は、栄養士さんに手伝ってもらわなければできません。
私たちも子どもたちの喜ぶ給食作りを日々心がけていますので、是非とも栄養士さんの配置をおねがいします。
地元の農産物を使った
安全な給食を!
地元の野菜を活用することは、生産者の顔が見えることで安心です。
子供と地元生産者がつながっている点は教育的にも理想的です。
休耕地を含め、積極的に地元の学校給食のための野菜作りをして、生産者も力を合わせて生産量を安定化し供給できるようにすることが必要ではないでしょうか。田島昭泉



請願の審査

請願第10号審査その1 平成14年4月24日
(すでに新年度なので長若の栄養士は削減された)

文化厚生常任委員会
田島昭泉 小池勝利 高橋正一 神田武 加藤義意知
請願「学校栄養職員引き上げによる欠員に対して町費栄養職員の配置を求める請願」
教育委員会(学校教育課長)説明
 ○栄養士は法定数で、ひとつの共同調理場で2400人以下には1人。小鹿野に適応すると2人です。
 ○栄養職員の対応について給食調理場の学校長である長若小学校長と小鹿野小学校長と検討協議した。
  この結果、栄養職員の業務などを下記のように改善した上で、小鹿野小学校に配置される栄養職員の勤務を小鹿野小学校に周3日、長若小学校に周2日を振り分ける事にした。
     記
  1. 長若小学校に緊急雇用の臨時職員を配置する。
  2. 栄養職員の事務(食材の発注・在庫管理・給食費の集金支払い事務・予算の執行など)を学校職員で分担し、栄養職員の負担を軽減する。
  3. 給食の献立内容により、給食調理業務が多い日は、調理員を増員する。

質疑応答
  1. 事務は教員が負担するのは本来ではなく大変だが(田島)
    • 教頭がこれに当たります。
  2. 調理員の増員はどの程度か?(田島)
    • 今のところ月に丸一日が1日、半日が2日で計3日です。
  3. 計3日は教育委員会での指示ですか?(田島)
    • 調理場から出た希望です。
  4. 他町村の栄養職員数は?
    • 吉田町は4校で1人、長瀞は3校で1人、皆野は6校で1人です。(どこも調理場がひとつ)
  5. 請願にある給食指導は支障ないか?(田島)
    • 本来的には給食指導は教員の(分掌)仕事であると言えます。
  6. 長若での地域性を考慮した野菜の調達などはどうなるのか?(田島)
    • 長若はほぼ今までと同じにできる。町全体では野菜をそろえるのが大変なので現状では無理。
  7. 児童生徒数からして2人で充分と思うがどうか?
    • 充分と思います。
  8. 毎年同じ献立だし、2400人に一人の基準からしても一人でもいいくらいではないか?
    • 一人はどうか・・・何とも言えません
協議での意見
  1. 過去の献立表を見て検討したい
  2. 現場や請願者の意見も聞きたい(田島)
  3. 他町村の詳しい数字も知りたい。
以上により継続審査となりました。次の審議は5月20日の予定が組まれました。

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請願の審査その2

請願第10号審査その2 平成14年5月20日 文化厚生常任委員会
田島昭泉 小池勝利 高橋正一 神田武 加藤義意知
請願「学校栄養職員引き上げによる欠員に対して町費栄養職員の配置を求める請願」
教育委員会(学校教育課長)説明
  • 兼務は秩父郡市内で大滝のみ(大滝小74名+大滝中63名)
  • 秩父市の花の木小は590人以下の550名だが1名置いている。(特別措置ではないか?)
  • 小鹿野では全体で2名の設置ができ、その配置場所の制限はない。
請願者説明

請願者:倉林さん
    (出浦さん)
○兼務になった栄養士さんの状況
  • セレクト給食・バイキング給食ができなくなる(鹿小でも)
  • 長若2日、小鹿野に3日で移動していると落ち着かず無駄が多い。連絡しずらい。
  • 食材注文の発注などの間違いがでてきた
  • 仕事も持ち帰りで夜中の1時過ぎまでやることもあり心配
  • 協同授業が難しい。(過去には文部省から表彰された)
花の木小は市職員で栄養士をおいている
○給食はセンター方式から自校式に移っている。(安全面・指導面・給食内容)
○給食指導は文部省の「食」の指導として特別非常勤講師としての役割があり教科内容がでている。
○設置基準からすれば長若共同調理場に1名になるのでそのように設置して欲しい。
○会計は教頭がすることになったが、本来の教育面での指導がおびやかされては困る。
○会計は教育委員会でしているところもある(吉田)のでそうして欲しい。
○「緊急雇用の臨時職員を配置する。」が生活指導員では業種が違う。無意味だ。
長若協同調理場現場説明

所長(坂本校長)
石田教頭
調理師:白石さん、播磨さん
○教頭の週4時間の授業が2時間になった(校長)。(週休2日の減でも3時間が適当だが)
○給食会計の仕事は初めてなので大変だが、慣れるとは思う。(教頭)
○今までは栄養士さんが、食材などの温度を見たり、納品の食材の確認をしてくださっていたので、すぐに調理にはいることができた。今は、その仕事をしてから始まる(白石)。(時間にすれば10〜15分)
○在庫が無い物などの連絡が密にできなくなった(白石)
○配達をするとなると着替えなくてはならないので10〜15分掛かる。校長にしていただくことが多い。(白石)
○配達は5分でできる。帰りは中学の方でしてもらう。(校長)
○調理員さんの「5分、10分の戦争です」が印象的でした。
○忙しい時の調理員の増員は欲しい。(白石)
○すばらしい人間関係のところですのでずっと仕事はしてゆきたいです。(白石)
・10分でも早く来たらいいのでは?(神田)→「7時15分の出勤で、さらに早くは難しい」(白石)
・生活指導員さんには給食関連の手伝いの依頼はできるのですか?(田島)→「全くやったことのない分野なので頼めるかどうか」(校長)
審査・意見・採決 反対意見 
      ・調理員の増員でよいのではないか
      ・このままで差し支えないと判断する
      ・毎年同じような内容の献立でキロ数も簡単な計算でできるはずなので兼務でいい
      ・三田川にもいないわけで平等にしてゆくのがよい
      ・秩父では1500食のところにも一人しかいない。一人で充分だ
賛成意見
      ・校長や教頭まで入れることで、教育が脅かされるので良くない
      ・ゆとり教育、顔の見える給食から考えても栄養士は必要
      ・内容のレベルアップのためにも一人必要
      ・現場の大変な状況が心配だ

     賛成:田島昭泉 加藤義意知
     反対:神田武 小池勝利
2:2なので委員長高橋正一 採決に加わり反対
 よって 不採択
請願者の話を聞き、安全・衛生を考えると、1調理場に一人の栄養士が原則だと感じましたが、残念な結果となりました。
景気のいい時なら何のこともなく配置できたであろう様にも思え、厳しい時代だと感じました。
請願者の「これからの子供たちに配慮して欲しい」の言葉には共鳴する物があります。