絵のある施設

  

絵のある病院秩父生協病院 →HP 2001.6/14取材   しょうせんレポート
↑診察室入り口待合い ↑待合室

  1. 各所に木を利用し、
    リレーフも
    取り付けられている。

    目を遊ばせる
    ところがあることは
    不安をほどいてくれる。


回転自動扉の
 入り口

一部がショウケース
になっていて
ディスプレイされている。
かわいいフクロウの彫刻が
おいてあった。
6/14 PM2〜4
パネルディスカッション
「ホスピタルヒーリングアート」
心の癒しと芸術/保健医療介護との関わり
パネラー ワシオ・トシヒコ(美術評論家)
      浅見哲一(画家)・堀口恵子(画家)
      犬木茂良(組合員)・新井さとみ(看護婦)
総合司会 浜田賢治(画家)・山田昌樹(院長)

以下ディスカッションの内容です。
新井さん(看護婦)
  1. 居室(病室)の絵の色がきついという患者さんはパステル調の絵を選び飾った。絵で会話が弾んだ。
  2. 介護での色紙作業では、患者さんが色を沢山選ぶようになった。
  3. 花瓶の白い花に赤い花を添える意志が芽生えた。
  4. 病室だけでなく外来のロビーへ行って絵が見たいという積極性が出た。
  5. 居室に絵があってQOLが向上するのではないかと思う。
  6. 院内の歩行訓練等では絵があることで足を止められて、精神的一息が入れられた。
  7. 意見が言えない人はどうするのかな? →こまめに聞いてみる。対話が生まれる。(浜田)
ワシオさん
  1. 写実の絵は答えが出ている。抽象の「何を描いているのだろう?」が思考の入り口。
  2. 本当の絵は何かと考えればレベルのハードルを越えたものを飾りたい。
  3. 公の場(外来)には様々な作品。居室(病室)には細かな作品の配慮が必要。
  4. 絵があるのと無いのとではどれだけ違うかを考えて欲しい。
  5. オーラを感じる作品、説明的でない作品がよい。
浜田さん
  1. 抽象的作品は考えさせる。具象はケアになりにくい。
  2. 戸田中央病院では抽象作品に力を入れている。松戸の病院では彫刻を積極的に買い上げて展示。
  3. 生協病院の患者さんにアンケートをしてみました。
    • 建物の中の重圧感が無くなった。
    • 絵の前を通るのが楽しみになった。
    • 絵を描いている人、飾ってくれる人のことをありがたいと感じた。
    • 診察室の前に絵があったので不安な気持ちがまぎれた。
山田院長
  1. いきなりでなく徐々に様子を見て飾るのがよい様です。
浅見さん
  1. 気持ちをこめて描きました。
堀口さん
  1. ここではじっくり見てくださるので嬉しい。
お客さん
  1. 開かれた病院でまた友達と来たくなります。来たときは血圧でも測っていこうと思います。 (^_^)
婦長さん
  1. とても有意義で勉強になった。
  2. 暗い絵はどうするのか。→振幅のない感情が動くことで精神が活性化するのでよいのでは(田島)
田島昭泉 (平成13年3月には一般質問・・・。)
  1. 遊び心のある建築で楽しい。
  2. 病室を居室と呼び、絵を選ぶことでより個性的に入院生活を過ごせることがいい。
設計者
  1. アートの予算を組み入れた。
  2. 合い部屋の内側の患者さんが眺めるところを作ることが出来た。(壁にフックを設置)

平成13年6月14日

2001.10/13日 作家と語る会にて
左より タジマしょうせん、鷹啄栄峰、浜田賢治
2002.10/13 「作家と語る会」風景
← 2002.10/13 作家と語る会風景

患者さんの絵に対しての聞き取りの感想で
とても詩的に感じたものが有りました。
メッセージを感じるものもありました。
紹介します。

人がたくさん集まってきて、まっさか急なところを登っていくもんだ。たまげた(80代女性)

解らないけど、私の下手な運針みたい。遠くに何かあるのかしら・・・(40代女性)

太陽の色、魚が飛び跳ねていたところ、赤い色が元気が出て、向上していく感じ(70代男性)

いろいろ考えながら出口を探していて、少し見つかりそうな・・・(50代女性)

曇りのち晴れ、戦争すればどっちもそんなんだ(80代男性)

暖かいものと冷たいものとの境目みたい(10代女性)

水面に雲が浮かんでいます。お日様も見えます。水をきれいにしましょう。(60代男性)

以上は100ほどの感想からの抜粋です。
わたしは、この言葉をテーマに逆に絵が描けると思いました。
絵を見た患者さんから詩が生まれたり、逆にメッセージを受けました。
表現することは五感をフルに働かせることと思います。
「身も心の病から」の逆があるとすれば、心が大きく働くことで、
生きることに積極的になり健康が見えてくるのではと思いました。
秩父生協病院の「絵のある病院」事業は大変手間のかかることとリスクをかけながらも大きな成果を上げていると感じます。
この事業は「癒し」からさらに医療への効果の領域を広げるだけでなく、絵の意味や価値の幅を広げることにもなりそうです。14.10.18

絵のある学校  しょうせんレポート2001
埼玉平成高等学校
入間郡毛呂山町

両神山の絵が飾ってありました。
(200号)