2011/5/23(月)午後2時〜 参議院インターネット審議中継(行政監視委員会5/23参照) 委員の顔ぶれ
↓要約しました。
末松信介委員長 委員一同、重く受け止めますので御忌憚のないご意見をお願いいたします。
1 小出裕章 京都大学原子炉実験所助教
■夢を抱いて原子力の勉強をして踏み入れた。入って調べたが原子力は貧弱な資源である事が解った。石炭では世界が1年ごとに使っている総量の中で確認埋蔵量は数字で60〜70年分はある。究極埋蔵量が使えれば800年近くは使える数字です。天然ガス、石油もある。化石燃料が枯渇してしまうから原子力だと言われていたが原子力の資源はその数十分の1になる。しかしそう説明すると、核分裂性の資源ではなくてプルトニウムに変換して使うから意味があるんだという。ウランを採取して濃縮加工して原子力発電所で燃やす。しかし、これをやってもエネルギー資源にはならない。高速増殖炉を造ってこれでプルトニウムを取り出しこれで回しながら使って行くと。出てきた高濃度放射能の処理はいずれやっていくと後回し。しかし高速増殖炉は実はできないのです。破綻した道をお伝えします。原子力開発長期計画ですが高速増殖炉がいつ使えるかと。1968年の計画では1980年代の前半に実用化すると、しばらくすると難しいと。次の計画では1990年だと。しかしそれもできなくて5年で改訂し2000年前後に実用化すると書き換えた。ところがこれもできませんでした。次は2010年に実用化するとなった。これもできそうもないと、2020年代に技術体系を確立したいという目標に変えられた。さらに2030年に確立という目標を立てた。しかしさらに次の2000年の長期計画での改訂ではどうなったかというと、ついに年度を示すことすらできなくなった。原子力計画大綱という大仰なタイトルになった。そこでは2050年に一基目の高速増殖炉を造るという事に書き改められた。目標がどんどん逃げていくと言うことです。10年経つと20年先に目標が逃げる。永遠にたどり着けないと言うことを理解しなければいけない。原子力委員会も行政も責任を取っていない。増殖炉で一兆円捨てた。1万年の実刑に値する。もんじゅに責任ある人はいったい何人か知りませんが、仮に100人いたとすれば一人100年は実刑に処さないといけない計算。しかし誰も未だに問われず責任も取っていない状況。原子力は異常な世界である。
■福島のことですが・・・。原子力というのは膨大な放射能を扱う仕事です。たとえば広島の原爆は800gのウランが燃えて広島のまちが壊滅した。原子力はと言うと一基が一年で1トンを燃やしているのです。それだけの放射性生成物を造っているのです。原発は機械です。機械が故障を起こすのは当たり前。動かしているのは人間です。人間は神ではありません。時には誤りを犯す。破局的事故は常に起こりえる。では原子力の人たちがどの様な対策を取ったかというと「破局的事故は滅多に起こらない。そんなことを想定することはおかしい」と「想定不適当」として烙印を押してきた。中部電力のホームページに書いてあるが「たくさんの壁がある。放射能は漏れません」と第4の壁として鋼鉄製の「格納容器」があると。これがいついかなる時も放射能を閉じこめることとしたんです。絶対に壊れないとそう言う仮定にしたんです。実際にはそれが福島で起きている。深刻です。防災というものはあらかじめ大きな災害を仮定して住民を守る立場で考える事が必要。危険を過大に評価していたのであれば、あとで過大だったな、住民に被害無くて良かったで済む。それが防災の考え方。しかし日本政府は事故を過小評価して楽観的見通しでやってきた。国際事故評価レベル4だと言っていて最後の最後で7だと。避難区域についても万が一だと言って3Km。それが次には10Km。これも万が一を考えてといった。そしてしばらくすると20Kmと。その時も万が一をと言った。後手後手に対策がなされた。■パニックをさける手段は常に正確な情報を公開して出すことだと思います。それで初めて行政や国が信頼を受ける。残念ながら日本の行政はそうではなかった。常に危機的状況ではないと言いたがる。25年間100億かけたスピーディーという事故時の計算コード、これすら隠してしまって住民には知らせない。■誰の責任かと言うことを明確にせず労働者や住民に犠牲を強要してます。被爆の限度量を引き上げて対応させ、住民の避難も現在の立法府の決めた基準とも違う基準に引き上げてしまうと言うことをやっている。■福島の本当の被害はどれだけかと、失われる土地は福島県全域の面積となります。失いたくなければ被爆限度量を上げなくてはならない。特産物は売れず住民の生活もできなくて故郷を追われることになると考える。東電に賠償したところで何度倒産しても足りないだろう。本当に償ったら国が破綻しても足りないと思います。■ガンジーが7つの社会的罪を唱えている。1、理念無き政治。2,労働無き富 3,良心無き快楽 4,人格無き知識 5,道徳無き商業。これが東京電力などの電力会社に当てはまるのではないかと思う。 6,人間性無き科学 これは私も含めたアカデミズムの世界が丸ごと原子力に荷担してきたと言うことをこれで問いたい。7,献身無き崇拝 かみしめていきたいと思います。
2 後藤政志 芝浦工大非常勤講師 ■10数年東芝で原子力プラントの格納容器の設計に関わっていた。■安全のシステムは核反応を止めると言うこと。制御棒が燃料の間に入れば核反応はいったん止まります。今回も1〜3号まで止まったわけです。運がいいと言うこと。すでに何度も制御棒の事故を起こしていた。今回は地震で止まったことはよかった。今までに制御棒のコントロールを失った事故があったが20年以上に渡り隠されていた。その内2件は臨界に達している。予期せずに核反応が進むこと。とんでもないこと。制御棒の間違いだけはないと思っていた。しかし2000年代になったらわかってきた。この段階で私は制御棒が駄目だと言うことは原子力は成立しないと思いました。今回は制御棒は入ったと、しかし崩壊熱を長期にわたり冷やす必要がある。1年はやらないと解けてしまいます。地震、津波で冷やせなかった。炉心が解けた。12日の段階でほぼこの道になるのは解っていた。今でも不安定。これを設計から言うと制御不能な事故。炉心が解けてそのままにしておけば最後は地面も溶かしていく。だから冷却をしている。20〜30ミリの鉄板も溶かしていく。水素爆発した。もし格納容器の中で爆発すると大変な被害になる。■設計管理は色んな分野のものが見てきたが、こんな事故は起こるわけがないと形骸化してしまった。審査に本当の状態がわかるものが居るのかという疑問。■事故が多発している。軽水炉は通常のものでも事故が多発している。もんじゅもトラブル続き。半年も解決できない事故がある。こんなのは設計の立場で言えば技術ではない。■被爆を前提にした安全設計はありえない。■処分のできない大量の放射性物質。トイレ無きマンションと言われている。■温度は100数十度と落ちている。なんか冷えているらしいと、推測でやっている。中を見られるのか圧力温度は正しいのかと、どれひとつも疑って見ざるを得ない。これから安定して収めていくことがいかに難しいかが解る。1〜3号基で放射能が出ている。10万トンの汚染水が徐々に海に漏れている。格納機能を持ったものに入れていかないといけない。■ベント開放と言うことは放射能をまき散らすと言うこと。説明不足だ。■地震と津波に機器と人為的ミスが加わった。それに設計ミスが加わった。落雷でも台風でも竜巻でも多重にどこかをやられるとあり得る。何もなくても機器と人為的ミスでシビアアクシデント(過酷事故)になります。理屈の上で起こりえることは現実的にあり得ることで、発生確率が小さいとして無視されてきた事は安全委員会の責任である。さらにシビアアクシデントは原発の特性であって不可避であって地震津波は入り口でしかない。他の発電とは反対に原子力は事故後に危機的方向に立ち上がる特性がある。次の事故で日本は壊滅すると思います。シビアアクシデントを防げると言うことを証明できればいいが工学的には不可能だと感じている。つまり危険な原発は段階的に止めるなり廃炉していく必要がある。膨大な原子力予算をエネルギーシフトさせる必要がある。
3 石橋克彦 神戸大学 ■2006年2月衆議院公聴会で原発の危険性を訴えたが役に立たなかった。■想定外の津波と言ってますが、津波の前に地震で大きな損傷を受けたであろうと思います。田中光彦氏の岩波書店「世界」に書いたもので1号基では冷やす機器が喪失したであろうと。2号基では圧力容器に損失を受けたであろうと主張しています。地震学的にあり得ることです。原発の基礎版は想定の揺れよりオーバーしている事実。2007年の柏崎よりはひどい揺れではないがオーバーしていることは事実で、非常に長い時間ゆれていた事は重要。繰り返し加重。■安全保安院と安全委員会で2009年に耐震安全性が確認されている。ですが誤りであったであろう。議論する必要があるが避けている。2006年の耐震設計の改訂自身が間違っている事になる。改訂のプロセスと結果が問われる。■3月30日に全国の原発の緊急安全対策をするようにと通達した。大津波と地震を想定しなさいと通達したがそれ自身が間違っている。原子炉立地指針としては大きな事故の誘因が考えられないこととしている。■大津波を被る立地に原発をつくったことが正気の沙汰ではない。たかが発電設備をこの様な立地で造ることは疑問。■安全委員会、保安院はすべからく原発擁護の立場であって危険を無視していて原発擁護機関になっている。2007年柏崎刈谷原発で7基が止まった時、委員として関わったが、海底活断層を無視していた。偽装と言ってもよい。組織的に行っている。物言えない状態になっている。■地震多発国日本には原発は適さない。世界的に見て日本は地震発生の活発なベルト地帯にすっぽり入る。欧米では常識。日本は異常。■本質的安全からすれば日本で原発はできない。■経済界の方、まるで解っていない。原発は世界中で同じ問題を抱えているが日本の原発は違う。地震がセットだと言うこと。■新設増設はやめて今あるものもやめるべき。■浜岡原発はとりあえず閉鎖などとではなく永久に閉鎖。地震津波対策などは無駄なこと。他の原発も多くの理由を以て早急に点検をして止めるべき。■原発がとまっても、使用済み核燃料を安全に保たなければいけないことは大きな問題が残る。早急に改めないといけない。■海外では国民に安全対策の冊子を配っている。手元のものはコネチカット非常事態対策ブック。その様なもの早急に配るべき。
4 孫正義 ソフトバンク社長 ■電力を何にシフトして行くか?火力水力に何を加えるか?省エネと自然エネルギー。そこで自然エネルギーを今の10%に20%増加させたい。ヨーロッパでは30%は計画済み。ドイツ、全量固定買い取り制度。太陽光が発展した。■メガソーラー期待■電田プロジェクト:耕作放棄地と休耕田、合わせて50万ヘクタールある。そこに敷き詰めて2割の発電として原発20基ピーク分の50ギガワットになる。農地には農業以外のことができない。国難に仮設置できる法解釈をして欲しい。太陽の恵みを利用したい。■屋根で20GW、電田で50GW、他で30GW=合計100GWの太陽光発電 原発100基分である。そこに風力や地熱などを加えることで150GW。覚悟以てすれば日本にはできる発電。■原発を50%にするという計画を望んでいる日本人は居ない。子供達に安全な日本を残す。
以上で参考人意見発表終了し質疑応答。
藤原委員 理解できた事が3つ。1、原子力はコストが高いと言うことが確認できた。2、我が国には原子力発電に対し業者の中に専門家が居ないことがわかった。3、管理行政も機能不全だった。■主権在民がひどくないがしろにされたと思ったと言うこと。安全委員会の斑目委員長が想定を越えたことだったと驚くべき発言。要である安全委員会は機能不全だった。行政監視も機能不全。是正するのが国会。孫参考人のご意見は
孫 全くその通り。国民は理解していなかった。原発周辺の定義はすでにほぼ日本中になってきている。直接国民投票で問うぐらいの状況ではないか。子、孫の代にまで心配である。半減期2万4000年のプルトニウムの保存に対し100年に一回の地震津波に対応できるか疑問。
明石委員(自民) 議論の中で明らかにならなかったこと。■水蒸気爆発でどれだけの放射能が出るか?一基当たりどのくらいでるのか?■ペレットに二酸化ウラン、核燃料がどのくらい入っているのか? ■圧力容器原子力容器が壊れた時の想定は?放射線量は?■20Km圏避難地域〜などの妥当性は?■浜岡は止めて当然だと、他の原発もそれぞれリスクがあるとのことだが国内の原発のリスク順位は?■脱原発戦略で、電気の貯蔵する技術は?
小出 現状は水素爆発が1〜4号機まで起こった。ただし、一定程度格納容器は保たれている。東電が測定できている。放射能は何百種類もある。10%が出てきている。水蒸気爆発の危惧している。そこに至ると圧力容器が損傷し大量の放射能が出てくる。広島でわずか800gのウランが燃えた、原発は1基1トン燃やしている。それほど危険なものである。
後藤 壊れ方、水蒸気爆発であれば、全て出てしまう。加圧水型、古いタイプで多いが鋼材が脆化する。割れる。水を入れると壊れる。つまり、原子炉容器が壊れる。汚染については12日夜で爆発的である。壊れ方で大変。
石橋 国でリスク評価は行われていない。政府では浜岡だけが問われていて他は問われていない。順位も比べられていない。科学評価は国会の場で議決して欲しい。
孫 大規模の電気貯蔵だが、揚水で行われている。コスト的には見合わない。原発優先主義で発電がなされていた。これからは発想的に自然絵ネルギー優先する考えを持たないといけない。スマートグリッドが世界的に着目されている。自然エネルギーがない時は化石燃料でダイナミックにスマートにカバーしていく事だ。
谷間(公明党) ■国会に事故調査委員会を置くことが大事ではないかと考えた。何を明らかにしなければいけないか?意志決定の過程を明確にする。原子力行政として機能してきたか?人事の問題。何をまず優先順位にするのか?■省エネルギーは限界があるのではと。ヨーロッパでは100万qワット節約すれば100万qワット造ったとの考えは?
小出 ありがたいが、現在進行中の事故を収束できるか?これを最優先させるべきである。福島では大きな被爆をして事故対策している東電職員が居る。東京の電気を東北で造っている。その事も真剣に考えて欲しい。
後藤 今、起こっている危険性の対策を早急にして欲しい。絶対必要なこと。利害があってはいけない。安全か危険かは論証である。調査委員会はどちらかに偏るような人選ではいけない。
石橋 明日、若狭湾で、伊方でと可能性がある・・急ぐべきである。調査、全てやって欲しい。意見求める時、海外から専門家を呼ぶが日本にも見識ある方がたくさん居る。大手のマスコミは無視していて、反原発の人を人と思っていない。日本人でやって欲しい。
孫 この様な先生方が入っていることが大事。省エネは重要。電力や通信はピークでお金がかかる。ピークカット、ピークシフトをいかにするかが要。料金の検討が必要。真夏の真昼にかかる。ピークの夏冬は高くして、企業は安い春秋などに作り置きして行くシフトも必要。ヨーロッパでは10倍の料金差を設定しているところもある。明確なメリハリを造れば自らの計画でピークシフトできる。一般電気料金も差がない。季節や時間で価格を変動するべきでスマートメーターで対応する。効果がある。
後藤 どういう人材が必要か。技術は現場経験の人間が必要。肩書きは意味がない。企業はバイアスがかかるので中立な人選が必要。
寺田委員(みんなの党) 日本は戦争の次に、また間違いを起こした。巨大な防潮堤を乗り越えた津波。事故に於いて情報開示がなされなかった。戦争に負けたが世界第2位の経済大国にもなれた。■情報公開度について?■防潮堤についてなど■復興として必要なことは
小出 1973年の秋から伊方原発の裁判に関わった。資料が必要だと要求したが、白抜きの資料ばかり。企業機密だと。その事は核兵器と共通しているのでそうなのかともいうが、その様な経験があった。また、放射線物質の仕事では福島原発事故後の東京の空の空気にどれだけ放射能物質が飛んできたかと調査した。チェルノブイリに比較してもかなり高いものであった。その事を行政は知っていたはずなのに出さない。京都大学セミナーでそれを公表するとしていたが、パニックになるからとセンター長に止められた。当時、行政はおそらく各機関に大きく統制しただろうと思う。パニックを押さえる唯一の方法は情報を正しく発して信頼できる政府を造ることだと思う。
後藤 格納容器など設計していたが、伏せ字であったのは企業秘密だと。こと安全について問われている時になぜ隠すのか。大きな疑問だ。90年に入って海外企業と仕事した。その時日本は過酷事故は絶対無いとしていた。対策しているから大丈夫だと。
石橋 次は首都圏直下の被災になる。西日本の大地震も。命運を分ける。備えはしなければいけない。想定の見直しを考えているだろう。地域地域の状況で違うだろう。最新の技術だといて鉄とコンクリートで自然に立ち向かうのはやめてもらいたい。自然を畏敬し譲り、生活を変えることが大事であると思う。
孫 海の潮を被ってしまって、使えない土地。そこに巨大なコストで防潮堤を造るのではなく、民家も造るのではなく、風力やソーラー発電設備し、民家は高台に造るべきである。東日本のソーラーベルトでは一時的に高く買い取るとすれば膨大な雇用が産まれる。塩害が終わったならばボルトはずしてソーラーを移動すればいい。復興ができる。
石橋 東京がやられても東京と同じ機能を有する副首都を同じ最先端で造るのではなく、ゆるやかな分散型のスマートグリッド型にしていく必要。
田村委員(共産党) 日本の発電をどうするか?■浜岡原発停止の問題。震源域に造った事自体が問題。東海地震の確率が高いので止めたと。適切な対策をしたら稼働するとのこと。政府は適切な対策していると言えるか?
石橋 その答弁は全く納得できない。地震発生87%だから止めたと言う数字は当てにならないナンセンスである。地震のあることは確実。駿河湾、浜岡の真下も含め直下で起こる。ターゲット(地震)のイメージがしっかり見えていると言うことは重要だ。津波対策も疑問。耐震も800ガルへ修正し、1000ガルまで対応しているから大丈夫などと言っているが、刈谷では1690ガルを経験している。東海地震で1〜2mは隆起すると言うことが妥当。全体で一枚岩のように動くならいいが上に乗っているものはでこぼこに破壊される。建て屋とタービン建て屋でずれて壊れる事もある。防波堤など隆起で壊れる可能性もある。地震学者としては大丈夫などとは決して言えません。地雷原の上でカーニバルをやっているようなもの。
田村委員 原発設計も専門で各部分部分で全体が解っている人がいないとのこと。全体を調整し理解し統制する権限するものがないのも疑問だ。
後藤 相当な専門性が必要で総合性も必要である。
小出 原子力安全委員会がやるべきだったが何もやっていない。力のある委員会を構成すべき。保安院も本来の仕事が産業省の中にあって原発を進めるべき内容になっている。原子力村に囲まれているところに不幸がある。
石橋 権限を持った規制機関が必要。1999年JC東海事故では事故が防げた。しかし中央省庁再編によって安全委員会事務局が解体された。経済産業省に吸収された事実。
中山委員 私は素人だが政府の説明はどの説明も疑ってみていた。専門家では溶融の可能性も見えていたはずだったろうと。自分の情報と一般の情報同じものを持っていればよいかと。日本人は信頼できる人々と信じて真実を発表してもらいたい。パニックにはならないと信じてます。ただ誰が発表したらよいか?危険を大きめに評価しておく必要。安全の哲学が不在である。本質的な安全がかけているとのご意見。この哲学が日本にないと言うことを考えたい。■福島県ぐらいの土地が使えなくなるのではとのことは?収束できるのか?素直なお考えを宜しくお願い致します。■人為的なミスとは?地震について備えと電力について?■建設的な考え。太陽光についてのご心配は何か無いのか?水力は駄目なのか?
小出 福島の事故は収束したいと思うが事態は思っていた以上に悪くなってきている。9万トンの汚染水がたまって来て、これ以上その処理もできない。現場では汚染水だけでも対処できなくなってきている。ものすごい被爆環境です。あふれる水は循環式の冷却装置を造るべきだと当初より訴えていたが、もうすでにできないのではないかと思うようになった。それは原子炉が完全に炉心溶融したと言うことが解ってきた。容器も壊れているとなると循環式でも冷やせないのではないかと。厳しく考えて、今あるテクニシャンを集め対策立案しないといけない時に来ています。土地ですが被爆は一年間1mシーベルトは許さないという法律がある。全体を無人地帯にしないといけないがそれも不可能ではないか?
後藤 人的ミスですが、安全設計での核ですね。絶対に人間はミスをする。それを含めて設計しないといけない。人の注意力で対応できない。こいつが悪いなどとは言えない。
石橋 地震が活発化してきたと言っている。念頭に置き原子炉運営を考えて欲しい。早急に第3者機関での各地原発のリスク評価が必要。
孫 福島の子供達年間20mシーベルトで放置していいのかの議論をして欲しい。ガンマ線のみの報告だけなのが心配である。体内被曝についても注意が必要。代替えエネルギー。風力では3年もアセスメント調査手続きが必要。最後の審査判断は原子力安全保安院が担っているが、それがどういう事かと言うことを知っておいて下さい。見直して頂きたい。自然エネルギーが造られないように判断されることが大きいのではないか。国定公園に有力な地熱発電の候補がある。見直しの判断が必要。
大島委員 古いものを活かそうとしたのではないか?ちゃんと制御棒が入っていれば大丈夫だったはずです。水を止めた止めないの初期判断は?■浜岡原発のあと次はどれかと率直にお答え下さればと?ニューヨークで3月7日にロックフェラーとCO2を使わないための会議があった。ニューヨークでバスの事故が起こった。しかしバスに乗るなとは言えないとデビッドから電話があった。地産地消のエネルギーの発信もいかがか?
後藤 初期対策が遅れた件は情報がない。海水を入れるのは当たり前。しかし再臨会は絶対無いのかと言われれば答えられない。可能性の問題。
小出 どこも事故の可能性がある。事故があった時、収束させる技術は誰がどの様に持っているかが大事。福島は福島で持っていたはず。東京本社でどうのこうのと言っても政府がどうのこうの言っても左右されてはいけない。現場を支える体制が必要。
石橋 強いて言うなら若狭湾でしょうか。どこと言うより、古いものがある。若狭には40年のものがある。35年のものもある。あちこちにある。古い順。マークワンを。
孫 ベストミックス。それぞれの地域にあったものが基本です。それを分散型でスマートグリットで結ぶ。
田島政務官 海江田大臣も言っているがこれをきっかけにゼロベースで議論していきたい。今までの現実的な志向には孫さんのようなベンチャーなビッグな構想が必要だと考える。
松村委員 若狭に原発14基ある。モーゼの予言のように警告をしてきて下さったことに敬意を払います。県知事県民に訴えたい。答えを欲しい。
石橋 若狭湾地域は越前から舞鶴まで地震活動地域です。大地震空白時期である点。津波も来ないなどは安全神話。危険であると言うことは間違いない。
風間委員(民主党) ここは立法府の委員会です。小出参考人が調査したという東京の事故直後の放射線数値を具体的に報告して下さい。孫さんの会社でも放射線数値も計っていたとのことですのでここで言って頂きたい。■翌日12,13日と党に上がってくる地震の情報。原発事故の情報を集め判断する必要があったと思うが東電や安全委員会から情報が来なかったと見ている。原子力村の人から意志決定する政治家に情報が来ない事が問題だと思う。安全委員会が機能してないお話ででは今言われている再構成も信頼できないのではないか?■浜岡原発は震源地域の真上にある。防潮堤の増設の決定になったか?
小出 事故直後の東京での測定データは3月18日に公表しました。HPに公表してあります。ひとことでヨウ素、テルル、セシウム 数百ベクレル/uであった。チェルノの放射能が飛んできた時の1000倍であった。内部被爆としては1時間呼吸で20μシーベルトの量であった。収集して公表する事は難しいこと。私のような一研究者のデータも組織のデータも集める必要。それをやるのが安全委員会。しかし数人では無理。構成を考える必要がある。
孫 4台の線量計を持ってみている。1台目は2週間経たあと手に入れた。直後は知らない。政府発表の倍出ている。政府はガンマ線だけ。私のはα、β、ガンマ含めてのものだった。政府のガンマだけというのは、ほんとにそれで良いのかと言うこともある。
小出 外部被爆は10分の1である。内部被爆の方が恐い。
孫 なぜ恐い内部被爆を情報出さないのかが心配。ガイガーカウンターも税関でとまったままである。足りない足りないと言われている。売り切れしている。税関でとまっていて問題。
田島政務官 誰かがさぼっていたとか言うことはない。まず、事故を収束させる段階。推進母体と安全を見る母体が一緒ではまずいと政府は真摯に考える必要がある。科学技術省の編成改革が良く無かったことも考慮したい。浜岡は耐震対策がなされているかと言うと、基準はなされているが一層の安全を対策しなければとの事。中部電力もそう判断した。
風間委員 政務官のお話でそもそも安心できない点がある。検討して行きたい。
岡山委員 孫さんのお話、暗いニュースの中、大きな示唆。電源プロジェクトで構造が変わることだと。
孫 色んなところで発電するという、それをグリッドでつなげる。IPPと言いますが。日本では止めるような施策。実現可能で世界では実現されてきている。安心安全な分散型発電社会だと思う。
山背委員 日本列島は原発がもっとも危険な発電だと。「制御された安全」ではなく「本質的安全」について詳しくご説明を
石橋 旅客機は超高度のコントロールされたもの。しかし安全を考えたら乗らないこと。原発はコントロールされた安全。原発では日本では本質的に安全を考えたらこれを置かない事が本質的安全です。
委員長 提案であります。建設的な課題。組織の見直しは政務官からは時期尚早というようなこと言われましたがそんなことはないと思います。また、放射線計量器が税関でとまっていると思われること自体も政治不信です。議事録まとめ政府に委員からの発言をまとめ正式にお答えを持ちたいと。主権在民の目線で監視委員会も問われること。
田島政務官 全力を収束に向け、支障ない中、組織再編は早急にやりたい。
委員長 国民が不安を抱いている。勝手な議論が出てくる。解決したい。■小出参考人からは今はまず事故を収めることだ。責任者探し、反省と検証はそのあとしっかりやるべきだ。保安院はその安全を確保することが責務であって、推進に向かってはいけない。と御意見を頂いた。■後藤参考人からは安全性に利害が絡んでは駄目だと。現場の解る人間を活用せよと。■石橋先生からは日本の原発は地震付き原発であることを肝に銘じろと。国民には避難マニュアルを配布しろと。■孫正義参考人からは原発優先主義から自然エネルギー優先主義に切り替えるべきであると。大きな機会としてとらえよ。批判する人間も大切にせよと。
貴重なご意見をありがとうございました。
4時18分(2時間18分の会議)終了