奈倉自然(じねん)便り

「奈倉じねん便り」 奈倉の自然のあるがままの姿をご紹介

奈倉じねん便り  七宮楽みのり

2008年5月号

4月は芽が出て花が咲き乱れ若葉が萌える月でした。今は八重桜が真っ盛りですね。ヤマツツジ山吹は終盤になりそうです。
5月は鯉のぼりが泳ぐようにグングンと力みなぎって自然界も育つ時ですね!
キジの声がケーンとよく聞こえます。先月紹介したガビチョウも鳴きが本格的になり、その影で鴬の声も薄れがちです。近頃は温暖化の影響でしょうか。関東も平地にしかいなかったオナガドリが「ギィ〜ギィ〜ギィ」と鳴き声も姿もよく見かけるようになりました。
以前奈倉でも見かけたサンショウウオの姿はいかがでしょうか。泉田地区では細々と保存されていますが・・・。も含め本来居た生き物が居なくなることは寂しいことですね。
さて5月の花。花はまずが咲きますね。奈倉でもお庭に立派な藤をお持ちの方も多い。楽しみですね!街道にはハナミズキが満開となり、公園や山ではヤマボウシ卯の花も咲き出します。小手毬の真っ白な花と共に様々な色柄のあるクレマチスポピーバラ菖蒲も庭を彩ります。牡丹もまっさかりに・・・
奈倉の大きな蕎麦畑のそばの花も月末には一面に咲きだします。畑の隅には矢車草がきれいに咲く所も。桐にも花がつきます。
遠く離れた奈倉出身の皆さんにも奈倉の自然を思い出していただきたいとシリーズにして書きたいと思います。お便り下さいね。
2008年6月

5月に入ると暑い日が続きました。あっという間に牡丹の時期も終えました。クレマチスモッコウバラが咲くと急に寒くなりました。暖房器具をもう一度使った家庭も多かったと思います。農免道路沿いにある田嶋造園さんのモッコウバラ、田島嘉重さんの畑のポピー、見事でした。
庭ではオトシブミがお手紙づくり。アゲハの仲間のウスバシロチョウも5月6月だけ飛びます。遊休地ではキジが繁殖を始めてます。山ではホトトギスの声も聴けましたね。
田んぼにも水が引かれ、鏡のように風景を映しました。
さて6月は梅雨の季節ですが晴れれば大変暑いですね。花は花菖蒲あじさいも咲きますね。バラの季節も始まってます。田島富夫さんのも咲き出しますね。
忘れられているのがドドメ(桑の実)。ドドメは雨の合間にとってジャムにしたいですね。そのまま食べたのは昔の子。手や口を紫にした思い出がありますか。今の子は食べないようですね。木イチゴの季節ですよ、見つけて下さい。庭のグミの実も沢山なるといいですね。
朝夕にはツツドリの声が「ポポッ ポポッ」と
そうそう、タイトルの「じねん」というのは「自然」のことです。ジネンジョのジネンです。東北(山形)の言葉で じねんはズネンであるがままのこと。「ずねんと」と言えば「あるがままでムリしないで」という意味になります。じねんを大切にして暮らしたいものです。
 7月 奈倉じねん便り B  七宮楽みのり

6月1日、朝のカッコーの声を聴きましたか?初鳴きだったように思います。雨の中ではホトトギスが未だに鳴いています。
7月はいよいよアジサイ。隣の泉田ではあじさい祭りも開催。でもアジサイの葉は食べると毒だったとはびっくりでした。カタツムリは大丈夫なの?そして朝顔も夏の顔。田村商店の朝顔は毎年見事に大きな壁面を飾って、行く人の目を暑さから癒してくれます。同じ朝顔の仲間マルバアサガオも遊休地の雑草ですが綺麗です。意外と長く9月まで花を咲かせます。
月見草も咲き出しますよ。シャラの花やザクロの花。ホウセンカヒオウギムクゲ立葵ノウゼンカズラもきれいですね。
百合も夏の花。農工の生徒がミューズパークにヤマユリを植え付けたニュースが出てました。いっぱい増やしたいですね。キキョウギボウシも初夏の花ですね。
そして、いよいよ夏休みです。がにぎやかに鳴き出しますよ。でも蝉とりの風景を見なくなりましたね。何しろ夏の宿題で昆虫採集や化石採集したのはずいぶん昔のことになったようです。親子で懐かしい夏の遊びをしてみませんか。
   8月 奈倉じねん便り C 七宮楽みのり

 夏祭りが盛んです。雷と余り音が重なった所も多いようです。7月は夕立と雷が激しかったような気がしますね。停電も一度ありました。昔は良く停電があったのでロウソクの元、丸ちゃぶ台で夕食を食べた思い出があります。皆さんはいかがですか?
 さて夏の花は少ないですが・・・荒れ野で増えてきたマルバルコウソウは小さな赤い花。ご存じですか?野生の朝顔と一緒のところで見かけます。白い花の物もあるようです。キキョウも夏の風物詩。でも何と言っても夏は百合。ヤマユリは薫り高い。でもどこの山にもあったものが減っている様ですね。オニユリも真っ盛り。テッポウユリも結構お目にかかりますが、アスファルトのほんの隙間からでも花を咲かせる姿にも出会います。おどろきの生命力ですね。
 さてさて、夏休みと言えば虫取り。でも蝉とりする子供はほとんどいなくなりましたね。カブトムシクワガタはまだ子供達にも人気はあるようですが、ホームセンターで買ってきて飼うのが普通になってきたようです。最近は洋物のカブトムシも売られていて人気があるようです。そんな虫の求め方がちょっと心配ですね。どうですかこの夏は子供やお孫さんと本当の虫とりにクヌギ林へ蜜を探してみては。クサギの花も咲けばクロアゲハなどが集まります。暑い盛りの枯れ木の上に綺麗なルリボシカミキリ玉虫も見かけます。そんな観察も楽しいですよ。
 最後にご注意。地震・雷。火事・・・。それと、嫌な鳥が増えています。サギの仲間です。振り込めサギには厳重注意。
   9月
奈倉じねん便り D  七宮楽みのり

 この夏はオリンピックの熱き戦いとは裏腹に秋の様に涼しい日が続きましたね。よく咲いたサルスベリの枝が雨でしだれて重そうでした。
 さて、9月に入れば残暑もありますがすっかり秋の様相。実りの秋ですね。
 アキアカネが空を飛び、夕焼けも綺麗な季節となります。秋まきのソバも芽を出し月末には花も見られます。庭のキンモクセイは甘い香りを漂わせ、梅もどきは早くも真っ赤になりますね。畑のきわのホウズキも赤くなり、ハミズハナミズ(曼珠沙華)もにょきにょきと顔を出し一斉に咲き出します。稲刈りの風景と曼珠沙華。まさに秋の風景。・・・そしていよいよ秋祭りを迎えるのですね。
10月
奈倉じねん便り E  七宮楽みのり

 10月です。実りの秋ですね。妙見さまの秋祭りです。お米もまずは例年通りだそうでよかったですね。昔ほどお米などの収量が生活に左右される様なことはないようですが、日本の食糧も意識しないとどこまでも外国に頼る様では困りますね。何もお米まで輸入しなくてもって感じるのは私だけ?荒れ地にはセイタカアワダチソウの不気味な黄色い色が目立つ季節。藪の中からキジが顔を出すのはご愛敬ですが田畑の美しい風景を取り戻したいですね。
 運動場のコスモスも満開。奈倉の運動会も間近です。庭のムラサキシキブも野山のムラサキシキブも美しい実をつけます。キウイ、ザクロも収穫期。柿は違い(隔年収穫変動)があるようですが今年はいかがでしょう。
 身も心も豊かな実りの秋になります様に・・・
11月
奈倉じねん便り  F  七宮楽みのり
 あっという間に日が短くなって寒くなりました。秋祭りも運動会も楽しい思い出になりました。子供達からお年寄りまで沢山の人が繰り出しました。初めての顔や懐かしい顔。地域での良いお披露目の場所ですね。
 十一月は紅葉。ようばけの紅葉もまっさかりになります。遠足の小学生もけっこう多い季節です。
 霜が降り、朝霧にぬれ、葉野菜がさらに甘くなります。お庭には菊がにぎやか。ヒッタキ(ジョウビタキが渡ってきてタカタカタカと人なつこく物干しの竿で尾を振りながら鳴いていたりします。 
 イチョウの葉がある日の朝、突然音を立ててハラハラと一斉に落ちる日も間近ですね。秋の彩りと落葉。一年の終結に潔く心を引き締めていきましょう。



12月
奈倉じねん便り  G  七宮楽みのり

 一年とは早いもの・・・もう夜祭り、締めくくりの鉄砲祭り。遠く山の峰に雪を頂く日もあるのが12月ですね。
 田んぼの冬場の田起こしは土壌の殺菌のためと聴きます。イノシシの泥起こしも盛んですね。朝など出会わないように気をつけたいですね。
 こんな真冬の12月でも蝶を見かけることがあります。俳句では凍蝶(イテチョウ)とも呼ぶようです。成虫のまま冬越しするシジミチョウやタテハチョウがいるのです。ちょっと暖かだと飛び出すことがありますよ。
 鳥はカシラダカカワラヒワの姿をよく見ますよ。群れになっていることもあります。カワラヒワはビィーンと鳴いたりコロコロコロと鳴きます。くちばしがピンクで羽に黄色の班があります。とても綺麗な鳥です。(カシラダカは冬鳥です)
平成21年(2009)1月
奈倉じねん便り  H  七宮楽みのり
 
 新しい年、どんな自然の変化を見られるか楽しみですね。
 一月は新成人を迎え華やかな時です。そんな成人式に雪の降った時があった。
 雪の結晶はご存じの通り六角形。黒い布の上で落ちてきた雪を見るとよくその姿が解ります。六角形を基準にして皆形が違うのが不思議ですね。自然界にはこの六角形が花の形や蜂の巣や水晶などの鉱物の結晶や岩石などけっこう出現するようです。
 霜もよく観察してみて下さい。まっすぐ立つ物もあればグニャグニャとする物。真横に育つ物。車のガラスには色んな直線で霜が育ちます。
 ロウバイがすでに蕾を膨らめています。雪割草(ミスミソウ)も知らないうちに咲いています。木の芽や虫を捕りながらエナガの群れが飛ぶのをよく見かける頃です。
2月
奈倉じねん便り  I  七宮楽みのり
 節分で年男が気勢を上げ豆を蒔くと奈倉にも春が来ると感じます。雪は降っても春の雪。確実に花の季節を迎えます。
 福寿草も蕾を見つけましたよ。福寿草祭りも両神の四阿屋山ではもうすぐ。幻のチチブ紅を見に行くのも良いですね
 こんな寒い中でも意外と咲いているのが水仙。良い香りがしますよ。中国渡来のサンシュユも2月末には黄色い花を咲かせます。
 バレンタインデーではチョコが届くのもひとつの花便り。気持ちも高揚する季節なのですね。 えっ? チョコはぁ〜うち
チチブベニ
3月
奈倉じねん便り  J  七宮楽みのり
 暖冬だそうで両神の可憐な節分草も2週間早く咲いたようです。3月上旬でピークだそうです。おかげで花粉症も早かったのはつらいです。
 ミューズパークの梅園もにぎやかでしょう。大徳院の白木蓮は霜にやられずに綺麗に咲いてくれるかしら。奈倉のカタクリが咲いているのを密かに見に行くのも楽しみです。ジンチョウゲも花が開けばよい香り。県道沿いのレンギョウは垣根一面が黄色い壁のように見事に咲きますね。
 花 はな 華・・・・人の気持ちも華やぎます。感動の卒業式にも沢山の花を添えてお祝いですね。
 先日トウキョウサンショウウオの卵をとあるところで見ましたが奈倉でサンショウウオがいたのは十年ほど前でしたか・・・環境がどんどん変わる中で大切なものを次世代につなぎたいですね。
6月
奈倉じねん便り  K  七宮楽みのり
 奈倉文庫も6月号は記事が少ないようで再登場です。
 スイカズラをご存じですか?6月に咲き出しますよ。常緑の蔓性植物です。確か倉尾ではヘクソカズラと呼ばれていましたが、この名前のものは別のものなんです。冬にも葉が落ちないので生薬として忍冬(ニンドウ)とも呼ばれてます。
 さらにスイカズラの花は生薬名で金銀花(きんぎんか)とも呼ばれています。はじめは白く咲きだんだん黄色くなるのです。面白いですね。だから同時に黄色と白が咲いているので金銀花なんですね。なんか縁起良さそうですね。そしてさらには香りが最高。ジャスミンの香りです。だから私はわざわざ鉢に入れて花を楽しんでます。以前はお茶にして飲んでいた時もあるのです。それを知った近所の方が「大変ですね」とお茶も買えないと思ったらしく袋詰めのお茶を戴いたことがあったのです。オホホ
 世間では雑草として邪険にされていて。かわいそう! 改良品種が最近出回っていますが、古からある花も葉も生薬になる綺麗な「スイカズラ」を見て上げて下さい。