ボランティア体験発表会原稿

心にいつでもユートピア

始めまして。私はただ今紹介にあずかりました、奈倉ユートピアの田島と申します。
ボランティアの中でも環境部門と言うことで、先の吉田町のコミュニティ協議会の発表もあり、参考になることもありました。内容が重なることもあるとは思いますが、ご容赦を願います。
環境問題を地球的規模で言えば温暖化による水位上昇や異常気象等の危惧。ダイオキシン。
オゾン層破壊による紫外線増加による皮膚癌への影響。
さらに宇宙的に言えば人工衛星等やロケットからかなりの廃棄されたゴミが地球の重力圏を漂っていて今後の宇宙開発ではその存在が危険だとの話もあります。
かなり身近に言えば、我が家の生ゴミ処理をしているコンポストがいっぱいになったので「お父さん何とかして!」と言った具合で、私自身の権威も危惧される訳です。
ですから環境と一言に言っても巾が広いのです。
そして気がかりなことには違いないわけです。

発足のきっかけをご説明したいと思います。
当時は名前も知らないある方が、日曜日とも成るとリヤカーを弾きながら空き缶やゴミ拾いをしてる姿がありました。いいことをしているには違いはないのですが、なかなかコンタクトがとれない。が、1年もするとそれが奈倉に別荘を持っている浦和の田中さんと言う方で、「埼玉の上流をきれいにしなければ下流はきれいにならない。」との発想で、きれいにするのが楽しみでやっていると解りました。
その姿に感動した地元の何人かが輪になり一緒に考えようと言うことになりました。それが4年前になります。
せめて身の丈の公共の環境は自分たちで見つめよう。それが奈倉ユートピア研究会の心持ちだと思います。奈倉というのは小鹿野の中の1耕地名でまさしく私が住んでいる行政割の地区のひとつです。
ちなみにユートピアというのは理想郷の意味ですが、美しく、実りがあって、人の輪があって助け合い協力し合って安心して生活できる場と広く解釈しての命名と思っていただければ良いと思います。
地元の会員を数名紹介しますと専業農家の方、田畑をもって椎茸栽培で生計を立てている人ですが、これがパソコンに詳しく私たちの地区でもホームページをはじめに作った方です。農業がしたくて浦和から20年前に越されてきた方で詩も書き、今は地元の大豆で天然にがりのお豆腐を作っています。やはり自然が好きで嫁さんの実家に入ってきた方がカヌーが好きだったり、私も先ほどの紹介のように都会の子供に自然の楽しさを伝える塾を15年やってきたような人間です。田中さんは浦和で生活しながらも毎週奈倉に来るのが楽しみ。そんな個性が集まったことで、いろんな視点でものが見えたり、活動できた会です。
目的を持とうと言うことで
豊かな自然を守り育て、自然と共生して行ける環境を造ろう。
赤平川を清流にもどし、魚が沢山いる川にして次世代の子供達に渡そう。

以上の2点です。
活動内容は 清掃活動 樹木の多い町並みを造ろう 赤平川の清掃 自然環境の維持などと共に自然体験です。

会員の内容は地元の小鹿野の方が14名ほど、田中さんのお仲間が30人ほどです。活動となると実際には10人も居ないのですが無理強いはしない。

 では、活動内容のいくつかをあげてその成果と問題を述べてみたいと思います。

小鹿野には天然記念物の地層の見える大きな崖「ようばけ」があります。ここは20年以上前ですがキャンプ場も含めて化石園として栄えたのですが、以後廃業して、その廃屋が朽ちてそのままであったので、非常に危険な状態でした。ガラスはいいように割られて飛び散り床は腐って踏み抜ける。そこに子供が行けばけがが当たり前の状態ですし、あまりにも観光地的場所としては見苦しい。これは3回の片付けをしたのですが廃屋とは言えすっきりとしました。それ以上は持ち主も居ることですのでそちらに要望していくしかないと考えてます。行政も人の持ち物まで片づける訳にもいかないわけで、先を考えれば景観条例や環境条例等での指導か、特別な補助の形で撤去ができればと思案中であります。

 次はゴミ清掃ですが、日頃の道路脇の空き缶やゴミ拾いは、ありがたいことに先ほどの田中さんが「俺の趣味なんだから取らないでくれ」ともうしまして、休日の度にやってもらってます。実は集まった空き缶等はさらに奇特なことに、以前は田中さんの地元の浦和に持って帰って処分してもらっていたのです。しかしこれでは申し訳ないと行政に聞きましたら秩父広域市町村組合のボランティアシールを貼れば地元の収集でもよいとのことで数回にわけて回収してもらっております。
 日頃のゴミはそれできれいになっていたのですが、数年前に開通した農免道路の橋の下に、恐ろしいほどのゴミがたまっていることに気が付きました。見えないから捨てるのか大変な量です。その下にあまり使われていないとは言え道もあり人の土地もあります。そこで地域に声を掛けての清掃活動をしました。小学生からの家族ぐるみの参加もあり集まったゴミは大判のビニール袋に30。袋に入れられないような鉄くずとか布団類も引っぱり出し処分できました。こちらもこの春の草が伸びないうちに次を計画しております。
 (ゴミ箱設置の悪循環)ここで発想として、ゴミが散らばって捨ててあると回収するのが大変。だからゴミ箱を設置してとの流れになりました。これは確かに集中して捨ててはくれますが、ゴミの有料袋化に伴ってか、わざと毎日のように家庭ゴミを捨てて行く人があるようです。またその目の前で毎回弁当を食べて捨てて行く業者もあり、しまいには山ほども捨てるようになり、それをカラスがつつき出す。悪循環だと言う事になりました。「ゴミは持ち帰り」が基本それを押し進め、モラルを理解していってもらうことが大切だと言うことです。お陰でゴミ箱を外し、そこに花などを植えるとゴミはほとんどなくなった訳です。失敗例と言えば失敗ですが体験によって得たことです。

次は「山の神」と言う塚がありまして 、その周りは休耕地の大変荒れた畑になっていました。そこに記念樹の森を造ろうという計画です。約千uの土地なのですが、地主さんにも理解を得られて、お借りできることとなりました。平成10年に桑や雑木の伐採と草刈り、平成11年冬にさらに片づけをして、その春には桜の木を16本ほど植樹できました。地元の中学入学生や浦和大宮の都市部の人に植えていただきました。花が咲くころ見に来ていただくように願っています。さらに今年はその土地の一部にキウイの棚を造りました。昨年からその柱となる栗の木を用意しまして、皮むきもしたわけです。春には苗を植えて、いずれは自由に実を採ってもらえ、夏には心地よい日陰もできるのではないかと思っております。こんな作業の中でもユンボを燃料だけで出してくれる人の好意もあり、ありがたいものだと思っております。

 その他の作業では川自身を歩いて上っての水質調査(水辺の状況調査)もしてみました。川から見ると様々な汚水や汚泥が流れてくるところが見えて、まるで台所の流しの水がそのままつながっているような感じの所もありました。小鹿野では高性能浄化槽の工事補助も13年度から実施していただけるとのことでその普及が待ち遠しいところではあります。また、業者の排水汚泥などはさらなる追求が必要かと思っております。水はその時々に透明であっても川底がぬるぬるしていたのではとても秩父の川の清流とは言えません。

 以上は作業的な内容ですが、活動のひとつに自然を楽しもうと言うものがあります。清掃とか植樹とかして気分はいいものの、さらに美しい自然や豊かな自然はいいものだと、実感体験が必要だと言うことです。植樹した桜が咲いてくれるのはまだ先でしょうが、その下での宴会は待ち遠しいものです。その宴会がしたいために桜を植えたんじゃ・・・の声もあるようですが。

 発足してすぐの夏に行ったのが「ひまわりまつり」やはり休耕地をのうかのかいいんに開墾していただき、ひまわりを沢山植えていただいた。その花を愛でての野外でのパーティ。参加費をいただいて資金にもしました。子供向けには無料で「昆虫標本作り」を毎年実施。その日に採れた虫を立派な標本にして持ち帰ってもらいました。夏の1研究で提出する子が多いようです。自分たちの住んでいる地域に、どんな生き物がいるのかを知ることも大切だと思います。そしてそれも環境を意識するはじめの一歩です。
次の年には「1万本のひまわり畑」と題して 、ひまわりを迷路化してのイベントでしたが来てくれたか田畑のしんでもらえたものの、実施する会員はいくら資金の足しになると言っても大ごとになってきました。私たち自身が楽しくやれる限界のようでした。ですから第4回の平成12年の夏は子供向けのイベントだけにして、「昆虫標本作り」や「カヌーでの川下り」や 「熱気球作り」などを実施しました。好評だったようです。
春には「春を食べよう」と題しての山菜パーティー 
 初夏は「桑の実ジャム作り」
 秋は「ジャガイモ掘り」
 冬には「しゃくし菜漬け作り」
合わせて「陶芸教室」も実施して都心部の人に楽しんでいただいてもらいながら、親睦を深めて活動しているわけです。どれもが、自分たちが楽しめることを基本に自然を楽しんでます。ここで注意しておかなければいけないのが、都会の人は柿木や栗、蕗をとってしまうことがあるということです。逆に自由に取る場所もあるとユートピアに近いかなぁと思うわけです。

今後の課題としては資金を会員の会費だけでやっていけるかどうか、補助金なども基本的には半額補助であって大きな事業の計画があってもその半分を如何に集めるかに、壁があるわけです。

活動日は毎月、第2日曜日とか多少変更しながらも定期的にしようとしてますが、わずか4、5人で活動日を決めるので、誰かが用事があると変更したり、その連絡も全会員に届けられないときもある。また、あまり定期的にやっても仕事のようになるので、思いつくように始まるのも良いのではないかと思います。

事業の内容は先ほどの直に行う清掃などの他に、啓蒙活動や広報活動も大切なので計画して行きたいと考えております。

つたない発表ですが、ほんの数人から始められる。やれば気分の良いものだし、子供達には郷土愛も生まれ、いつか出て行く若者もまた、帰ってくるそんな想いですし、何より身近な環境を良くすることの輪が広がることで世界的な規模で地球が良くなるのですから、まずは「身辺からユートピア作り」をと訴えて終わりにします。

●秩父地域創造センターのページへ(この日の内容があります)