町長助役の給料を半額にする条例

2005年11月9日提出議案 小鹿野町議会にて審議

   小鹿野町町長及び助役の給料の特例に関する条例
 (町長及び助役の給料の額の特例)

第1条
町長及び助役の給料月額は、小鹿野町町長、助役及び収入役の給与に関する条例(平成17年条例第45号)第3条の規定にかかわらず、町長にあっては同条第1号に定める給料月額から325,000円を減じた額、助役にあっては同条第2号に定める給料月額から240,000円を減じた額とする。

   附 則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
 (この条例の失効)
2 この条例は、平成21年10月29日限り、その効力を失う。

この議案は町長の選挙時の公約でもあったので提出されたが以下の質問と共に反対討論がなされたので、田島昭泉は以下の主旨で賛成討論を致しました。(聞き書きなので誤りが有ることもあります。都合によりご指摘下さい)

質問者 質問主旨 答弁主旨
神田議員 誰が考えても安くするなら、
福島町長のもらっていた給料の半額にすべきだ。
福島町長は条例から5%減額していたが、
私は条例から50%減額するということです。
小菅議員 助役の減額は別に論議すべきだ。
職員とのバランスが悪くなる。
助役は町財政を鑑みれば共に同じ給料でやってくれる方を見つけたい。
職員にまではどうのとの考えはない。
強矢議員 報酬審議会をもって額を決めるべきだ。
次の町長はやりづらい。
町長自らの選挙公約ですのでさせていただく。
以上3名は以上の論旨での反対討論を実施。賛成討論は田島昭泉と高根議員、高橋幸助議員の3名でした。

田島昭泉賛成討論主旨:職員の給与にまでは言及しないが眠った能力を倍発揮していただきたい。厳しい財政に対しての町長のやる気が示されたものだ。助役も肩を並べてやるのがよい。また、収入役も選任されない様だが(4000〜5000万の)大きな財源になる。賛成である。

採決の結果:4名(神田、小菅、強矢、加藤)反対。他賛成。→賛成多数で議決されました。
●なお、以前助役の設置に関して反対討論をしたことがあります。参考にして下さい。


2005年12月7日の読売新聞には
「出納長・収入役を廃止、助役を副市町村長に…調査会案」として
地方制度調査会(首相の諮問機関、諸井虔会長)の「地方の自主性・自律性の拡大及び地方議会のあり方に関する答申」案が6日、明らかになった。
 都道府県知事や市町村長を補佐する特別職の体制について、事務の電算化などで存在意義が薄くなった都道府県の出納長と市町村の収入役を廃止し、市町村の助役の名称を副市町村長に変えて権限を強化する「副知事・副市町村長」制を導入するよう求めた。

以上の記事(抜粋)のように、少なくとも収入役は置かない体制になるようだ。


以下はこの議案に対しての「討論」から採決への議事録全文です。

〇議長(今井太喜男君) 質疑も終わったようですので、これにて質疑を終結し、討論を求めます。
  まず、原案に反対の方の発言を許します。
  12番、神田武君。
          〔12番 神田 武君登壇〕
〇12番(神田 武君) 議案第33号 小鹿野町町長及び助役の給料の特例に関する条例について反対討論をさせていただきます。
  この件につきましては、財政事情を考慮して給与の減額と、それと同時に町長選挙において半額にすると、この2点をもって説明があったわけでありますが、今までの質疑と重複する観点もあろうかと思いますが、これを総括して私なりに反対討論をさせていただきます。
  財政事情が厳しい、この点については我々も認識をし、町民も認識をし、そうした中から小鹿野町と両神村の合併が誕生いたしました。これによりまして、余り長い反対討論はいたしませんが、1億の特別職等の給料が浮くと、こういうことでありますが、今回出してきたのは、全体が厳しい情勢であれば、我々議員も含め、そして教育長も含め、職員等も含め、全般的な報酬等審議会を開いていただきまして決めるのが、私は筋であり、そしてまた関口町長が、みずから選挙の公約で町民にお願いしたとするならば、これは自分だけを下げればよいことであり、また町民にわかりやすい町政をやると。一般的に言って町長の給与はどうかと言えば、町民が感ずることは、前福島町長が町からいただいていた55万2,500円、これの半額にすると一般的な町民はだれしも思うと思います。確かに条例は65万円であり、前福島町長も特例をもって15%引いていた。こういうことであり、本来選挙のとき、住民に公約としてそれを守ろうとするなら、前町長がいただいていた2分の1の額にするのが当然であると、このように私は思うわけであります。
  関口町長も、町民にわかりやすく、見える行政の推進、それから町長室の扉を取ったと。これだけではなくて、町民が常日ごろ率直に感じている、これはだれが考えても福島町長がいただいていた分の2分の1だと、こう認識するのが私は町民の一般論であると、そのように思います。だから、今回は2分の1の公約を果たすなら、そうした額にしてほしいし、それからそうでないのなら、報酬等審議会を開いてやるのが、これは当然であり、助役まで含めて町の町長、助役、ナンバーワン、ナンバーツーが一般職員より低い額であると、これは職員にとっても大変な思いで日々仕事をしなければならないと、このように思います。町長は、公選で選ばれた人だから、これはいいとしても、ナンバーワン、ツー、ここまでいくと職員に多くのプレッシャーがかかって、職員の今後の仕事の士気にもかなり影響すると、私はそのような思いがいたします。
  だから、今回の議案第33号に対しまして私は反対をさせていただきます。議員の多くの皆様方にも私の考えをご理解いただいて、反対をいただくようお願いいたしまして、反対討論とさせていただきます。
〇議長(今井太喜男君) 次に、原案に賛成の方の発言を許します。
  7番、田島昭泉君。
          〔7番 田島昭泉君登壇〕
〇7番(田島昭泉君) 議案第33号 小鹿野町町長及び助役の給料の特例に関する条例について賛成の立場から討論させていただきます。簡単にお願いしたいと思います。
  今までの質問、また答弁の中で、職員さんの給料にまで波及した感がありますが、私は例えば眠っている能力、そういったものが結構あると思うのです。職員さんは大変能力のある方が多いので、そういった眠った能力を発揮していただく、そのもとである給料をいじくるというような、そこまで私は考えない、そういうふうに思います。
  別な話にちょっと戻しますけれども、以前の議会の中で、さすがに寒冷地手当ということでは、私もこの地に育って、この職場で働くのだということからすれば、平等に寒冷地手当はご遠慮願えないかということで、そういった疑問点が発するというようなところには、私は切り込んでいくという考えではおりますが、職員さんには能力を一生懸命発揮していただいて、働いていただくということで、私はいいのでないかと、そういうふうに思います。
  まず、町長の給与、これは私は町長みずからがやる気を出して、お金ではないのだということで、一生懸命やるのだと、その姿勢の第一歩だと思うのです。これを理解してやっていきたいと思います。また、助役さんもということですが、これは肩を並べて、私とともにこの財政難の中で一生懸命やってくれる人を探すのだと、そういう意気込みを私は感じております。ですので、その辺を酌んでやっていただければいいと思います。日本の中には収入役、助役すら置かずにやっているというところもございます。財政難、財政難で、そのうち赤字になってしまうから、また次の合併だよと言われるのであるならば、なおさらこうやって切り込むのだというところには、私は非常にやる気を見せているというふうに思います。ちなみに町長の4年間で削減される分、私おおざっぱですから、訂正があればあれですけれども、4年間で約2,000万円近く、いろいろ波及してそれ以上になるかもしれません。減額できるだろうと。そういったもので、またさらに新たな事業、もしくは財政を補うということに波及すればいいわけでございます。
  あわせて、収入役のことは、まだ言っていませんが、収入役も置かないと。これだけで、収入役の月額53万円という給料を基本にしまして、これだけでももう既に浮いているわけですから、これは選任しない限り、ここで問われることはないわけですけれども、そういった姿勢というのを大きく酌みまして、町長にばりばり働いていただくのだと、金ではないというところでやってもらえばと、そういうふうに私は理解しております。だれが考えてもというようなことではありますが、私は半額論に関しまして言えば、現条例にのっとって、その中で半額ということが、私にとっての、だれでも理解できる半額であります。その辺をご理解いただいて、賛成していただければと思います。
  以上で賛成討論を終わります。
〇議長(今井太喜男君) ほかに原案に反対の討論をされる方はございませんか。
  13番、小菅信君。
          〔13番 小菅信君登壇〕
〇13番(小菅信君) 原案に反対の立場で討論させていただきます。
  質疑を長時間にわたりまして行いましたので、質疑の内容を執行部の皆さんもよくご理解いただいたことと思います。その上で反対をいたしますが、先ほど最終の質問をしたとおり、町長がみずからの給与をカットしたいと、こういう思いは選挙公約であり、町長の信念だろうと思いますので、これは私は、そういうふうに重く受けとめさせていただきます。しかし、議会の議員報酬の問題、あるいはまた助役、収入役を置かないにしても教育長、あるいは職員全般の、町民から見た給与の問題、町民から見た問題ですね、みずからの考えだけでなくて、町民、住民から町長及び三役、あるいは議会議員、職員という者は、適正報酬というものは、どういうのだろうかというぐらいいろんな見方があると思います。そういうものを考慮した結果、町長の思いは重く受けとめたとしても、町長みずからご自身の減額については、それが出た時点で私は判断いたしますけれども、この議案については、分割して、先ほどみずからの分だけをやっていただきたいということがありましたが、総務課長並びに町長の方から、それを拒否されましたので、この議案については反対をいたします。
  財政が大変だということは、これはもうだれでもわかっているとおりでございます。財政シミュレーションでも、これは2町村で合併したいという財政シミュレーション、これはもう何回も何回も、これは職員はもう頭にしみついていると思うのですけれども、これは合併協から出たシミュレーションは、平成18年度、平成19年度までは、さきの質問でやったとおり、国の補助金等があるので、これは大体プラス・マイナス・ゼロでいけるけれども、平成20年からは、両神と合併した場合には3億5,000万円の赤字が現行では出るのだと。そういうことを考えていけば、しかも平成23年、平成24年ぐらいになってくると、その赤字は4億5,000万円にも膨れ上がってくるのだと。その赤字は、再びゼロになることはなくて10年間いくわけですけれども、そういうのを見せてもらったときに、そういう町長の思い、それから行動、それは私は評価をいたします。
  しかし、この議案については、私の質疑の中で申し上げたようなことが取り入れられなかったということで、本件議案第33号については反対の立場で討論させていただきます。皆様方も私の主張にご理解いただきまして、また後日、町全体の給与のあり方というものが町長から示される日を待って、本日はこれを否決するようにお願い申し上げまして反対の討論といたします。
〇議長(今井太喜男君) ほかに原案に賛成の討論をされる方はございませんか。
  14番、橋幸助君。
          〔14番 橋幸助君登壇〕
〇14番(橋幸助君) 議案第33号に賛成の立場から討論を始めたいと思います。
  そもそも論から言えば、合併論が発端になったわけでございます。合併論のときには、財政が大変だ、両神村さんとやってもどうしようもないだろう、こういう議論が盛んになり、確かにそういう面があるというふうに思います。しかし、住民が小さな合併ということを選んだ。そういう中で今の現状を考えると、先ほども小菅信議員さんからも議論がありましたように、出産褒賞金は上げた方がいいなという思いの発言もあったように、今の現状をどう打開するかという点で考えるならば、保育料、あるいは幼稚園の給食、あるいは今言った出産褒賞金等々どうしてもやるならば、何かを削らなければならない。それは町長みずから小鹿野のために一生懸命やりたいのだと、このためには私の報酬を下げてもやりたいと、こういうことではないでしょうか。私は、これは多少の数字の違いはあるかもしれません。しかし、合併論をよく冷静に考えてみれば、ここに戻るのではないでしょうか。今の現状をどうにか打開して、いい町にしようということになれば、こういうふうに身を削らなければならない、これはものすごい英断だと思いますよ。
  しかし、先ほど提案者の町長が言ったように、報酬は意味が違うと。報酬は、辞書で引いてみれば、皆さんにこんなことを言っては申しわけない。釈迦に説法みたいな話をして申しわけないが、報酬は言ってみれば謝礼みたいなものなのですね。つまり、ゾーンが広いのですよ。その中で英断をするということ。職員の給与というのは、公務員法で守られている。だからといって野放図でいいというふうには思いませんよ。思いませんが、そういうふうにやって、ちゃんと守られているということは、私は職員は堂々と胸を張っていればいいと思う。これは労働の対価なのです。つまり、給与というのは労働の対価、生活を守っていくという、そういうことでございますので、意味が違います。ですから、職員の皆さんは堂々としていてほしい。しかし、その中で全精力を上げて頑張ってほしいという私は思いがあります。
  また、話はもとへ戻りますけれども、つまり合併論から財政問題が始まり、今すぐ何かを町民にやらなければという現状を打開するためには、今のような方策をやっていくと。それで、その上に立って将来の、未来のまちづくりをどうするかということだというふうに思います。これは新しい産業を興して、つまりポジティブに、前向きに考えていく。ただ単に身を削るだけではない。しかし、それが物すごい成功すれば、これはもとへ戻せるかもしれないという未来も私はあるというふうに思います。私は、そういうことを現町長がやってくれることを信じ、また私どもも側面から住民の代表として頑張って応援したいというふうに思います。
  そういう立場から、私は議案第33号に賛成討論をして、私の賛成討論を終わりたいと思います。ありがとうございました。賛同をよろしくお願いします。
〇議長(今井太喜男君) ほかに原案に反対の討論をされる方はございませんか。
  8番、強矢好光君。
          〔8番 強矢好光君登壇〕
〇8番(強矢好光君) 議案第33号に反対の立場から討論させていただきます。
  町長は、選挙公約であり、減額する条例を出してきましたけれども、これからの先行きを考えると、次の町長もどう考えていいのかわからないと私は思っております。町長も公約として選挙で勝たなければならないという形から出したのかなと私も思いますが、財政の困難も確かにあります。しかし、私が考えるのは、やっぱり報酬等審議会を開いて、1人だけ下げて、一生懸命やろうという町長の努力は大変すばらしいところがあるとは思いますが、しかし1人で頑張ってやろうとしても、みんながついてこなければなりません。やっぱり1人だけではなく、議員も職員も全体をみずから削っていかなければ、いいまちづくりはできないと私は考えております。町長が助役と2人だけで下げていいものかと考えると、少し不安があります。そして、この条例が反映して、次に町長選が出たときに、だれが町長選に出るのか不安であります。お金持ちが出るしかないのではないかと考えられます。また、助役に関してもそうです。定年になって年金をもらう、またお金持ちでなければ助役を引き受ける人もいない。職員の中から適任な人が幾らでもいるのではないかと私は考えます。こうしたことから助役に関しても、もう少し慎重審議を行って、報酬等審議会を開いて、適任の助役を選んでほしいことから反対の討論にさせていただきます。よろしくお願いします。
〇議長(今井太喜男君) ほかに原案に賛成の討論をされる方はございませんか。
  10番、根登君。
          〔10番 根 登君登壇〕
〇10番(根 登君) 私は、議案第33号について原案に賛成をする立場で討論いたします。
  大変熱心に審議をいただき、これは大変結構なことだと思います。その中で既に皆様方が、それぞれの立場からいろいろ意見、あるいは討論をしているわけでございますけれども、私は今も強矢議員が申し上げましたけれども、みんながついてこなければだめというふうなことは、私は、そのみんなというのは、一部の議員や一部の職員ではないと思います。私は、みんなというのは町民全体だと思います。町民が町長をどう支持するかと、町長の今回の減額に対してどう評価するかと、私はそういう立場で、このことに賛成をしたいと思います。
  また、給料が安ければ次の町長が出られないと、そんなことは全く別問題で、次の町長はどういう信念で、あるいは給料を倍にして出るという町長があっても、それなりの資格のある、あるいは人徳のある人ならば、私は当選すると思いますし、結構だと思います。そのことで町長は、自分の公約を住民に示す、町民に示す、その責任を果たしたと、こういうふうなことで、これが新町「小鹿野町」の改革の第一歩になると、こういうことに期待をいたしまして、私は賛成の討論といたします。
  以上でございます。
〇議長(今井太喜男君) ほかに原案に反対の討論をされる方はございませんか。
          〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(今井太喜男君) 討論も終わったようですので、これにて討論を終結し、採決いたします。
  この採決については起立により行います。
  お諮りいたします。議案第33号は原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
          〔起立多数〕
〇議長(今井太喜男君) 起立多数です。
  よって、議案第33号は原案のとおり決定いたしました。