平成18年12月議会一般質問と答弁

質問 1.地域包括ケアの実績と森の癒し効果促進事業の展開について
(1)小鹿野町では地域包括ケアとして医療福祉介護の三位一体がなされている。メデイコトリムを含め地域包括ケアの実情と今後の展開はいかがですか。

答弁 町では、平成14年の病院の増改築事業に併せて、保健、福祉部門である保健福祉センターを病院に併設し、保健、医療、福祉を総合的に連携させ、一体的にサービスを提供する「地域包括ケアシステム」を構築し、地域住民が安心して生活できるサービスの展開を図つたところであります。
ご質問のメデイコトリムを含め地域包括ケアの現状でありますが、以前は、病気等で入院した場合は病院で、退院後の健康指導は保健で、在宅支援は福祉で、というように、それぞれの担当者が個別に支援したところですが、この個別支援では、入院から退院、退院後の生活をどうするかについて、一貫した支援が十分機能しませんでしたが、機能強化を図るために、月2回の保健、医療、福祉部門の現場職員によるケア会議、同じく月2回の保健、医療、福祉部門の職員が行う包括ケア会議、月1回のデイサービス等調整会議等を開催し、それぞれの専門性を生かしながらその人にとってのケアを包括的に検討し、実践しております。
町民に広く働きかける健康づくり事業では、町立病院医師や保健師が効果的な事業展開を図るために、企画運営等について検討し、健康づくり地域座談会や健康づくり教室を、地区や団体を対象に開催しておりますメディコトリム事業については、健康診査の生活習慣病改善指導として、メディコトリム事業への参加を勧めており、事業実施についても連携をとりながら推進しています。なお、平成16年度から現在まで、14期間催し延べ351人の方が参加しております。今後の課題といたしましては他の自治体に先駆けて包括ケアシステムの構築に取り組み、現在4年ほど経過いたしたところですが、人と人とのつながり、いわゆる「点」から、病院、保健、福祉の組織でつながり、いわゆる「線」でつながり、三位一体で包括的につながったというのが現状であります。
 今後は、この線を太く強くすることはもちろんのこと、地域をまきこんだ「面」に広げてまいりたいと考えております。
また、介護保険制度の改正、医療制度改革などにより、介護、保健とも予防重視へと制度も変わってきておりますので、その対応に向けて、地域包括支援センターを中心に、介護予防、健康づくり、地域支援事業などの事業の展開を図り、元気なときの健康づくりから、ターミナルケアまで、必要なときに、必要なサービスを、適切に受けることができるように、今後も、地域包括ケアシステムの充実を図り、新町建設計画による「共に支え合い健康で暮らせる福祉社会づくり」の実現に向けて取り組んでまいりますので、ご理解、ご協力を賜りたいと存じます。以上答弁といたします。

(2)埼玉県の森林セラピーモデル事業としては初めて選定された「森の癒し効果促進事業」では、今後どのような成果が期待されますか。

答弁 森の癒し効果促進事業は、平成17年度に埼玉県の補助事業を受け、18名による実行委員会を組織し、この事業における小鹿野町の基本計画を策定しました。平成18年度の今年度は、この事業の目的を達成すべく、分科会を組織し、それぞれの分野において調査と研究を推進している過程でございます。分科会活動の基本的な考え方を申し上げます。この事業は、小鹿野町の豊かな森林が持つ機能に着目し、これに保健や医療・福祉などを絡め、実践に向けての調査と研究に取り組んでおります。
その具体的な内容は、次のとおりでございます。
@運動プログラム→ ここでは、豊かな森林の中で適度な運動を行い、消費カロリーを特定するなど、本事業の中心部分を担う分野になっております。現在、般若コース。四季の道コース。四阿屋山コースの3コースを設定し、下見や運動による消費カロリーなどを測定したり、18名からなる山村案内人の養成講座を開講中です。
A食事プログラム → 生活習慣病などを想定した健康食として、栄養学的な裏づけが必要であることから、旅館や国民宿舎等で献立を研究推進中でございます。身体によく、安くておいしいヘルシーメニューの開発が求められています。
B入浴プログラム→ 単なる入浴でなく、正しい入浴の指導や精神的な効能等を研究しているところです。
Cカウンセリング→ @の運動プログラムに対応したカウンセリングを関連づけ、町立病院における保健医療との連係プレーを構築するよう進めております。現在は、このような分科会の取り組みを継続しており、これらを積み上げ実行委員会でも検討を重ねながら、実現可能なプログラムの構築と実践に向けた動きに向かって進んでいる状況でございます。この事業における成果や期待についてのご質問ですが、現在は18名の里山案内人の応募がありましたので、この養成講座が始まっております。たいへん熱心な方々が受講されており、コンサルの先生方も非常に期待できるとの評価をいただいているところです。国民宿舎・両神荘や旅館等ではヘルシーメニューの研究も続いており、町立病院における医療とのかかわりについてもさまざまな方策が検討されております。これらを相互に結びつけ、現段階では5つのモデルプランの案ができておりますので、これをたたき台にして小鹿野町の森の癒し事業の実施に向けた、よりよい方法を模索しているところです。
事務局といたしましては、何とか小鹿野町らしい森の癒し効果事業を形づくり、できるだけ早い時期において試験的に参加者を募集し、実践活動を通じてモデルプランを完成していくべき努力をしてまいりますことで、この質問に対するお答えといたします。

(3)それらによる医療費削減効果の実態はいかがですか。

答弁 平成16年度の小鹿野町の老人保健も含めた国民健康保険の1人当たりの年間医療費は、288,749円で秩父郡の町村平均323,521円に比べ34,772円少なく、郡内では最も少ない医療費となっております。ご質問の地域包括ケアによる医療費削減効果については、性質上具体的な数値としては出せませんが、いままで地域包括ケア、保健事業等を実施してきたことが、医療費が他町村に比べ少なくなっている一つの要因と考えております。
また、森の癒し効果促進事業については、現在計画段階であり、結果がでておりませんのでお答えできませんが、この事業により健康づくりがすすみその結果更に医療費が削減できればと考えているところでございますので、ご理解賜りたいと存じます。 以上答弁といたします。

2  町中の活性化についての A「また、関口町長の1期目の平成8年に出された商工会の「小鹿野町まちづくり基本計画策定事業報告書」や今年、西秩父商工会まちづくり協議会から出された「中心市街地を活性化するための要望書」を参考にして街中の活性化に取り組めませんか」

答弁 街中の活性化につきましては、町といたしましても、その必要性を認識しているところでございます西秩父商工会からご提出出をいただきました「小鹿野町街づくり基本計画策定事業報告書l並びに「小鹿野町中心市街均を活性化するための意見書」につきまして、町といたしましてはこのご提言を謙虚に受け止めております。
近年における急速な少子高齢化の進展により、消費生活の変化や社会情勢や経済情勢の変化に対応して、多様な都市機能がコンパクトに集積した、子育て世代や高齢者を含めた多くの人々にとって暮らしやすく、にぎわいあるまちづくりを進めていくことが必要であると考えています」こうしたことから、中心市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上を総合的かつ一体的に推進するため、国の基本指針に基づき、中心市街地活性化基本計画の策定に向けて準備を進めております。この基本計画の策定に当たっては、「基本方針に適合するものであること」、「当該基本計画の実施が、中心市街地の活性化の実現に相当程度寄与するものであると認められること」、「当該基本計画が円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること」が求められております。そのため、西秩父商工会と連携を図りながら、国・県等で開催する研修会への参加や担当者の意見交換会等の参加を通じで情報収集を行うとともに、埼玉県の中心市街地活性化に係る総合相談窓口が9月14日に設けられました。去る、11月8日には、基本計画の認定を受けるための今後の進め方等につにいて、事前相談に伺うなど、県のご指導。協力をお願いしているところです。
また、中心市街地活性化基本計画策定のため、都市計画や商業振興等を担う、関係部署を含めた庁内組織を早急に組織し、積極的に取り組んで参りたいと考えています。
今後の具体的取り組みとしては、住民を対象にした中心市街地の公共公益施設機能、商業機能の利用状況調査やニーズ調査等を西秩父商工会と連携し、来年度の早い時期に実施するとともに中心市街地活性化協議会を組織するための準備に着手し、活性化に向けたより良いまちづくりができますよう、取り組んで参りたいと考えます。
以上、お答えとさせていただきます。

3 空き家の調査と活用について
250戸ほどある空き家の厳密調査と交渉で、積極的活用を町がすすめるべきではないですか。転入希望者には、行政が仲立ちして積極的に空き家、空き店舗を斡旋してはいかがですか。

答弁 まず、空き家等の需要と供給面でみますと、ここ1年ほどの間に、町民の方や外部の方から数件の問い合わせをいただきました。これに対し、空き家を提供してもよいとか利用してほしいという方の情報等は入つておりません。ご指摘のとおり、空き家や空き店舗は存在しておりますが、需要に対して供給側の協力や提供等がないため、この活用が図られていないのが現状です。町は過去に芸術文化の村づくりとして、空き家対策事業に取り組んだ時期があると聞いておりますが、現在は具体的な計画を持つていないのが実情でございます。こうした中で、民間企業による不動産取引も若干見受けられております。空き家・空き店舗につきましては、所有者側の意向として先祖伝来の愛着意識などが根底にあり、スムーズな斡旋を妨げているように感じています。この間題につきましては、どういうふうに進めるべきか、対策方法を検討してまいりたいと考えています。また、その節には、田島議員におかれましては先駆的な体験者でございますので、アドバイザーとしてのご指導をお願いいたします。
以上、簡単ですが本質問の答弁とさせていただきます。