2003/9/4(木) (2023/9/20小鹿野町での再公演は→こちら)
講師:日本政策投資銀行 地域企画部 参事役 藻谷浩介氏
何で合併? 国のせいなんです。都道府県もなんとかしたいんです。 ■税収が74兆円なのに地方へは86兆円も使っている。 手段として合併問題になる。 ■あと10年で国民の貯金=国債残高→国債が売れなくなる→金利負担しているものが潰れる。 →インフレ→預金棒引きになる危険 ■これ以上公共投資をしろというのは大きな間違い。 総裁選でも大きな投資をと言っている人がいるが大間違い。 世界一金持ち1200万円/1人 で 国債は600万円/1人 国が返すのだからと言っているが、国は国民。国民が返すのです。 武力を持ったって尊重はされない。 世界から日本は1円たりとも借りていない事実。 しかし、特例債を使えば5〜10年でむしり取られることになる。 7割もらえると思ってはいけない。国民皆さんの借金です。 3割は即むしり取られるのです。 ■今後人口が減る中で相変わらず土地とハコを増やすと失敗は必然。 秩父市では何を考えているかは分かりません。 さいたま市は合併してひどいものです。 国にも立派な人はいっぱいいるが地方のことなど面倒は見ない。 雁坂が効果無かったとがっかりしているかもしれませんが・・・ 東京と自分の地域しか興味がない。が、東京もひどいのです。 江戸時代の前半は人口が一気にふくれた。土木の時代。 後半は建物にかけた。ゼネコンの時代です。 戦後一気に増えた人口と急成長。(土木の時代) そしてゼネコンの時代になった。 しかし人口は戦前に戻る。 子供を産まないとか結婚しない「若者は何だ」は通用しない。 皆様の時代は人口の増え方が珍しい時代だったのです。 毎年100万都市が1個以上できた計算になる。 ■この50年のこうだったの平均値は使えないのです。 秩父はこの50年極めて豊かだった。 さいたま市は50年前はぺんぺん草→今はニュータウン しかし、これからは50年間でできたものから人が減り空っぽになる。 高麗駅前は今は寂れました。入間の町も小さくなりましたよ。 所沢も輝きが無くなりました。池袋もにぎわいが減っている。 人(子供)が減るのは仕方ないのです。人(若者など)のせいにしてはいけない。 ■人口を増やそうと論議するのはやめましょう。4割減るのは当たり前なのです。 団塊の世代が多すぎたのです。元に戻るだけです。 教育の世界でも減ってきている。 車を動かす20代の若者が3割も減っているのです。 不景気ではないのです。若い人が減っているだけなのです。 東京のデパートが売れなくなるのは当たり前なのです。 供給過剰だから値段を下げてでも引っ張るの→デフレ→国のせいではない 国はベーシック(基本的)なもので動いている。 人口の減り始める前が恐ろしいですね。 あと20年先は第2次少子化世代が親となり出生は半減。70歳以上が15%も増える。 「東京は元気だ」は大きな間違い。「都の財政が1番悪い」のです。 東京都市圏では若者の減少。153万人減る。 70歳以上が319万人増える。121%増。これは2.2倍です。 一気に増える老人介護問題。これは西秩父より相当大きな問題。 残念ながら、埼玉県は全国一高齢者が増える県となる。 今まで都心部は日本の人口の25%が居ながら、交付税4.6%しかもらっていなかった。 あと20年で東京が衰える。東京の方が地方より大変なのです。 東京やさいたま市などの都市部は税源がない。→交付税をそっちにやらざるを得ない。 すなわち地方への交付税も減る。 寄居町は38000人もいながら、にぎわいもない。 長尾根トンネルも金がかかる。使う必要はない。 派手に使って目立つことはない。 いい時代50年を生きてきたじいちゃん達は危機感が全くない。 これからの金持ちは社会の安定のために金を払わないといけない。 合併したのが悪いのか、合併しないのが悪いのか? 合併はしないと財政再建団体になるでしょう 合併しても、自助努力もしない団体はすぐ潰れるでしょう。 西秩父なら痛みが分かるのでまとまりやすい。 大きな合併は、こっちもこっちもと投資を求めて潰すことになる。 合併してもうまくいかないことが多いのはそういうことだ。 しかし、西秩父でひっぱりっこしたらなおわるい。 |
||||
高齢化の状況 | ||||
2000年 | 2020年 | |||
70代以上 | 70代以上 | 70歳以上のお年寄り | 20〜50代 | |
小鹿野 | 17% | 24% | 300人増15%増 | 1300人減31%減 |
吉田 | 19% | 23% | 100人減12%減(減は珍しい) | 800人減32%減 |
両神 | 19% | 22% | 70人増13%増 | 400人減29%減 |
西秩父 | 18% | 23% | 100人増 3%増 | 2800人減28%減 |
秩父市 | 14% | 23% | 3000人増36%増 | 7700人減25%減 |
広域7市町村 | 15% | 23% | 3700人増25%増 | 13000人減27%減 |
東京大都市圏 | 9% | 19% | 319万人増121%増 | 153万人減 9%減 |
日本 | 12% | 21% | 1166万人増78%増 | 961万人減14%減 |
市町村合併の問題点
|
||||
分析が教えるもの 合理化しなければ行政は持たない。 しかし、合併してバラマキが増えるのも悲惨。 お互いに痛みを分かち合える範囲での合併。 |
以上、田島昭泉の聞き書きと資料の要約です。多少のニュアンスの違いはご容赦下さい。
以下は他紙のインタビューからの藻谷氏の言葉の抜粋です。
●街のあり方 人や店が集積していなければ、お金を落としていかない。丘の真ん中に飲み屋があるのと、そばに新鮮な魚市場があるのとでは、お金の落ち方が全然違う。 ●バラマキの合併は注意 合併は大同団結。地域エゴを言うほど足の引っ張り合いになり、全体として魅力のないまちになる。失敗例は、直江津市と高田市が合併した新潟県上越市。際限なく、ばらまきを続けています。 ●地域興しは
|
|