デマンドバスの視察

福島県小高町が平成14年の1月に運行され始めてから全国で現在29地域にデマンド交通が運行されております。h19.8(2007/8)
騎西町へ視察  富士見町へ視察    全国デマンド交通システム導入連絡協議会  


北本市でも実験運転開始2010→北本市   「デマンドバスを!と市民」新聞記事2011春日部市

2009/10/4埼玉新聞によると 予約制「デマンドバス」10月より開始とのことです。

埼玉県北本市は10月より「デマンドバス」のテスト運行を開始した。
「デマンドバス」とは、高齢者などが外出する際に自宅と目的地を結ぶ予約制のバスのこと。
料金は市内均一300円(障害者手帳保持者は半額、介助者も1人まで半額)とタクシーよりも安価であり、予約できる点で路線バスとは異なる。
希望の時間に希望場所まで移動ができることから、通院や買い物などの需要が見込まれ、運転免許証を返上した高齢者の足としても期待ができる。
バスは12人乗りワゴン車両で、2台を運行。利用には事前登録が必要で、その後電話での予約となる。
10月〜12月までのテスト運行の後、本格的に運行する。


2007(平成19年)8月29日(水)

埼玉県 騎西町のデマンドバス(ふれあいタクシーの視察)

実際にデマンドバスを視察すべく、埼玉県内唯一の完全デマンド運行の騎西町へひとり向かいました。


10人乗りワゴン(客9人)
自動ドア。高齢者が多いので最近自動ステップを設置。
バスは1台がバス会社、1台がタクシー会社で委託運行。
騎西町は人口約2万人。面積28.6平方q。駅の無い町。バス路線1本、タクシー会社1社がある。
営業主体は商工会。町は財政と技術支援。
車は10人乗りワゴン車が2台。朝は6時から8時まで内回り外回りの各2便計4便が巡回運行。デマンドは8時から19時まで30分ほどに21便。土日祝祭日は運休。
町内各地の他、加須駅にも行く。
町内を縦断し加須駅へ行く民間のバス路線が1本現存する中での運行。

当初はバス空白地帯から路線バスのバス停や加須駅を回る朝夕の通勤通学者向けの巡回運行もあったが利用者は少なく夕方もデマンドにしたばかり。
料金は大人300円と小学生100円が設定されていたが要望により学生200円がくわえられた。
営業主体が自治体ではないので条例の改正などはなく、要望に添って速やかに訂正され乗客数を着実に増やしている。
現在、商店街では買い物ごとにスタンプを押し、回数券との交換の実施も始めた。これを利用すると1回あたり220円で利用できて大変お得。
利用客は平成19年7月で45人/日と成っている。ひと月で1400人の利用。
利用者は圧倒的に70代(33.2%)、80代(42.1%)がしめる。

情報(予約)センター。空き店舗を利用
予約は各家庭や携帯電話、商店や施設などからできる。

チケット1000円で1100円分

オペレータは混雑する午前中は2人。午後は1人。
パソコンの簡単な操作で予約や車の配車ができる。

電話がかかると自動的に予約した人の名前や住所などが画面表示される。
また、2台のバスの場所も5分ごとに位置表示される。

私も試乗し、たまたま4人の乗客と乗り合わせた。
センターからの利用者情報を見て運転手さんの采配でコースが決まる。

まさに家の前で下ろしてくれた。
玄関から玄関への移動が可能だ。
バスの中では乗客同士の会話に花が咲いていた。
乗客に聴くと「足が悪いので病院に行くにも助かる」
「買い物しても荷物を提げて歩くことがないので助かる」とのこと。
また、「町内でも知らない所も走るので面白い」とも。

9月にバス路線の質問をします。デマンドバスについてはすでに旧小鹿野町時代に1回、合併後に1回質問をしています。しかし変わらぬバス改革に私も情報だけでなくこの目で見て、話を聞くことの必要性を感じ、視察をしてきました。乗客のお年寄りの「ありがたいねぇ」の声を聴くにつれ住民の立場に立ったサービスであったと感じ、なお一層システムの導入の確信に至りました。アポ無し視察でしたが役場並び商工会では大変親切にご説明をしていただきました。この場をお借りし御礼申し上げます。

2007(平成19年)8月31日(金)

長野県 富士見町のデマンドバス(すずらん号の視察)

長野県の富士見町は小淵沢の隣の町。
人口は15527人。面積は144.37平方q。(小鹿野町にほぼ近い数字)
以前は町内を5路線9系統のバスが運行されていた。町も補助金2000万円を出していたが、それでもバス会社は800万円の赤字。空気を運んでいるなどと揶揄され廃止を余儀なくされていた。経費の効率化と小さな道にも入る小型のバスが望まれた。平成16年3月にデマンド交通システムを導入し、4月には5路線を廃止。
現在は町からの補助は1600万円(8割が特別交付税措置)だけで事業主の赤字はない。結果として1200万円の削減効果と利用者アップができた。120〜130人/日の利用度なので月に3〜4000人程の利用。
料金は300円。障害者は200円。商店街では500円で1枚のスタンプを進呈し5枚で1回の乗車ができるサービスを展開。(2500円買えば乗車1回分はただになる計算)。チケットは10枚綴りで3000円。
デマンドのすずらん号は8時から17時までの間に3地区で【まち行き】を7便、【帰り】を6便。合計で39便運行。
早朝便すずらん号として決められたバス停を巡回する予約の必要のないバスを8時前に1便運行。
土日祝祭日は運休となっている。

駅前に止まっているすずらん号
バスは1台がタクシー会社、2台がバス会社依託。
町内を3地区に分けて3台が運行。当初は4台だったとのこと。

運転手さんも「私の住む原村でも導入して欲しいほどだ」と。また、「民間のタクシーなどとの競合には注意が必要。システムの見直しでもっと安くできるのでは」とアドバイスもして下さった。
チケットや料金は小皿の上に。
同乗したのは3人。病院への往復が圧倒的に多いとのこと。
「300円で玄関まで行ってくれるのには申し訳がない」とありがたさを越えて恐縮している方もいた。

商工会の局長さんに案内されて商工会の2階のオペレーター室の見学。
オペレーターさんは午前が2人。午後が1人でローテーションしている。
局長さん曰く「才能のあるオペレーターさんの御陰でお年寄りとの電話のやりとりやバスの運営がうまくいっている」とのこと。
予約は2ヶ月前からもできるが大抵は当日。
取材中も電話がかかってきたが、実に簡単に予約ができる。
登録してあるので予約者は名前も名乗らずに時間と行く場所だけ告げればよいようだ。
局長さんは最後にシステムのメンテナンスにお金がかかりすぎるので、ここを調整できれば申し分ないとアドバイスして下さった。
富士見町は観光地。しかし進む高齢化。病院や役場への中央との往復にはデマンドは好都合ですとうかがった。
雨の中の視察だったが「のむヨーグルト」や「風たちぬ トマトジュース」を土産に帰路についた。
なお、商工会では局長さんにご丁寧にご説明いただきました。ありがとう御座いました。田島昭泉