2004/7/18
有意義な講演を伺ってきましたので要約します。
志木市長 穂坂邦夫氏 「これからの行政と教育」 | |
志木市は9平方q。端から端まで15分で行ける。 私は県庁を2年半で辞めました。志木市の市役所にも勤めた。 学習塾も20年経営した。 昨日は都内で講演。明日は北海道で講演します。 多くの市町村が理解してくれて働き掛ければ国も(教育に)金を出すようになるんではないかと思う。 |
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市長はシティーマネージャー | 役場はえらいというイメージを長い間に植え付けてしまったが、オーナーは住民なんです。 市長はマネージャー程度。 2006年からは人口が減少する。このことを国は知らしめていない。 |
地方の自立 | 国が地方を見捨てると、人は中央に集まらざるをえない。 歯を食いしばって大都会を支えているのは農山村です。 市長になって3年目。大ピンチはチャンスの裏返しです。 60回もの市民懇談会をやった。 高給の職員を1人雇うより安くして3人4人雇うのがいい。 |
市民委員会 | 予算は官主導だと人件費に消える。 村の仕組み、町の仕組みは分担すると簡単になる。 予算も分解して簡単にすれば住民も興味がわく。 予算編成を市民にも加わってもらう。 役場の職員がチラシを配って宣伝した。120人募集の処、252人も集まった。 存在する部に全ての委員会を設置した他に合併部とIT部もつくった。 |
住民との会議は土曜日にする。 ヨーロッパではほとんどが議会も夜だ。 職員とも毎週2時間、20人ずつ懇談会を設けて実施している。 |
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環境 自然再生条例 | このまま20年30年の建設を続けて良いのか。 自然を100こわしたら、100の自然を回復させる。 |
一方通行化構想 | 現実には至っていない。400路線を全て一方通行にしたい。 ドイツ型の構想です。聞くとだれもが反対する。でも、どこからかひとつ始めます。 |
少子化 | 学費掛かりすぎると言うが、東大出の役人はその子どもも東大に入れようとしている。おかしい。 |
教育 | あせらない。押しつけない。みすてない。動物的な愛を示す。 学業にもおませと遅いのが居るがいずれは揃うんです。 アインシュタインもあだなは「のろま」だったんです。 ダイヤは高くて欲しくなるが皆同じようなもの。 子どもの個性は世界にひとつです。 |
25人学級 | 全国で初めてやった。国ははじめ理解しなかった。外国ではどこもこのくらいの人数でやっている。 学習集団は25人程度が良い。 初めの年は4700万ほどの負担。先生を募集したら70倍の人が来た。 6割の学科試験ができた人は全て面接し、人を見た。 世界貧乏旅行をした人。情熱のある人・・・ |
お金が足らないというので、公用車も止めた。運転手も暇でしょうがない状態だ。 一般に時給いくらで運転手を求め、乗り合わせてやるようにした。 市長報酬も2割カットした。 |
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ホームスタディ制度 | 不登校の生徒はカミソリのように切れる頭をもっている子が多い。 日本だけが不登校を施設などに引っ張り出そうとしている。 外国のホームスクール制度に習った。母親が勉強を教えてそれで卒業させている。 家にいても卒業できる。 |
とかく「橋を造りました。道を造りました」と言うのが行政や政治家。 橋を造ってそのやったことでの成果を報告するのが本来。 企業なら当たり前。 |
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まちづくり条例では何をするのか。実体が伴わないといけない。 持続できるもの。自然中心のものが良いですね 環境と財政を考えてやって下さい。 |
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合併 自治体の規模 | 志木市は9平方qに66000人。(秩父は9市町村で埼玉の4分の1の893平方q) 規模はどうかと聞かれても難しい問題です。 学者の話では見渡すことのできる規模が良いと言ってます。 一般行政となると大きい方がいい。13万人が理想的だとも言う。 日本も工夫次第だとは思う。 私は消極的合併賛成論者です。合併はむしろ県から初めてほしい。 どこの合併後でも、様子を聞くと「良い」「悪い」「解らない」と意見は分かれる。 日本の中では合併しても、今と同じですかと問いたくなる。 国も700兆円借金があるというのに、特例債も借金です。返せるんですか。 国は指針を出していないと片山大臣に言いました。 北海道でのある合併では端から端までで10時間も掛かるようになるそうです。 「どうしたらコミュニケーションが取れるでしょうか?」 と総務省の役人に聞いたが、「解りません」だったとのことです。 スエーデンは合併して成功している国だが、 市町村はこの仕事を、国県はこの仕事をしますとはっきり分担されている。 フランスは8000万人の処に1万2千の市町村がある。日本は1億人に3千。 ドイツも小さな市町村が多い。 志木市は隣の住民投票で合併がこわれたが、その直後にアンケートをしました。 賛成は「行政サービスが高くなる」 反対の人は「行政サービスができなくなる」このような認識です。 広い秩父では「地域内分権」を取り入れて、合併を考えてはいかがでしょうか。 |
この講演を企画してくださった「豊かな秩父をめざす会」と、ご案内下さった久喜邦康先生に感謝申し上げます。