平成16年3月3日小鹿野の合併を問う住民投票での選択項目発表。よじ曲げた項目に批判のうず
合併問題も両者相まみえての戦いになって、共に正々堂々と民意に問うと構えていた矢先の選択項目発表。
これについては町長への非難の声が上がっています。
今回の合併の意思を問う住民投票の選択項目については、民意を汲む目的が著しく損なわれました。
そもそも、住民投票条例の出だしの第1条には「町民の意思を確認し、以て民意を尊重した選択をすることにより将来にわたる町民の福祉向上にしすることを目的とする。」となっています。小鹿野町民の民意としてはっきりしている「西秩父」の選択項目をはずして、どうして民意が確認できるのでしょうか?
まず以て福島町長は民意を確認するどころか自分の意思だけでこの住民投票を実施しようとしていることに強い憤りを感じるものです。
ちなみに町長は一貫して「合併しないと大変だ」と言っていたのです。それなのに「合併しない」項目もある。この様なことになったら、それを実行できる自身があるのでしょうか?
おかげで困惑した両神も住民投票を中止(延期)してしまいました。
読売新聞 2004/3/3(水) |
小鹿野の合併住民投票 「7市町村」「両神」「合併せず」で選択 小鹿野町は二日、合併について町民の意思を問う住民投票(二十一日投開票)について、投票の選択肢などの施行規則を定め、公布した。投票の選択肢は、「七市町村での合併(秩父市、横瀬、吉田、小鹿野町、両神、大滝、荒川村)」「両神村との合併」「合併しない」の三者択一。投票時間は午前七暗から午後七時までで、通常の選挙より投票終了時間を一時間繰り上げ、開票は午後八時からを予定している。選択肢については、「西秩父との合併(吉田、小鹿野町、両神村)」案も取りざたされたが、両町村への意思確認の結果、吉田町は「七市町村以外の枠組みでは協議できない」とし、両神村は「回答できない」としたため、「両神村との合併」とする選択肢となった。 |
新聞発表では以上のようなことですが、検証します。
これについては、福島町長が吉田町と両神村に新聞記事にもありましたように文書を出しておりました。その内容と、両町村の回答は以下の通りです。
小鹿野 から 両町村 への 質問状 |
小鹿政発第48号 平成16年2月3日 小鹿野町長 福 島 弘 文 吉田町長 猪 野 正 一 様 市町村合併に係る住民投票について(ご照会) 寒冷の候、貴職にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。 また、現下の地方行政の最大課題である市町村合併につきましては、秩父地域合併協 議会会長として、日々ご尽力をいただいておりますことに深甚なる敬意を表する次第で あります。 さて、貴職におかれましても既にご承知のこととは存じますが、本町においては「西 秩父三町村合併を実現する会」や「秩父広域合併を推進する会」の住民運動が起きてい ます。このため、合併についての意思を問う住民投票条例を別紙のとおり制定し、本年 度内に実施することで現在準備を進めておるところであります。 ついては、投票実施にあたって、その枠組みを決める選択肢を設定するため、下記の 点について貴町のご見解をいただいておくことが必要と考えますので、お忙しいところ 誠に恐縮ではございますが、よろしくお願いいたします。 1.合併の枠組みを問う選択肢に現在の秩父地域合併協議会構成7市町村と異なる枠組 みの選択肢に貴町を入れることについての可否 2.1において可とした場合、投票結果が現在の秩父地域合併協議会構成7市町村と異 なる枠組みとなった場合、新たに本町との合併協議を始めることについての可否 ※追伸 なお、誠に勝手ではありますが、投票準備の都合上2月13日までにご回答い ただきたく併せてお願いいたします。 |
この様な質問をするところからおかしいのです。住民投票条例には 第1条は、目的であります。この条例は、本町の合併について、町民の意思を確認し、もって民意を尊重した選択をすることにより、将来にわたる町民の福祉向上に資することを目的とするものであります。 第2条は、住民投票です。町長は、前条の目的を達成するため、複数の案を示して町民による投票を行うとするもので、2項では、住民投票は、町民の自由な意思が反映されるものでなければならないとするものであります。 以上のように、小鹿野の住民の自由な意思が反映され、町民の意思が確認できるものでなければならないのです。 |
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吉田町 からの 回答 |
吉企発第 378 号 平成16年2月17日 小鹿野町長 福 島 弘 文 様 吉田町長 猪 野 正 一 市町村合併に係る住民投票について(回答) 平成16年2月3日付け小鹿政発第48号で照会のあった上記のことについ ては、別紙のとおりです。 別紙 1、合併の枠組みを問う選択肢に現在の秩父地域合併協議会構成7市町村と 異なる枠組みの選択肢に貴町を入れることについての可否 1の回答 貴町の判断とされたい。 2,1において可とした場合、投票結果が現在の秩父地域合併協議会7市町 村と異なる枠組みとなった場合、新たに本町との合併協議を始めることの 可否 2の回答 現在のところ、他の枠組みについて考える状況にありません。 |
2の回答については、法定協の会長です。「現在のところ」その状況にないことは明らかです。この様に答えるのは当たり前です。 これを以て、吉田はもう「協議できない」のだと判断する福島町長のねじ曲げ解釈には、西秩父の票の分断と西秩父への強い拒否が伺えます。 |
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両神村 からの 回答 |
小鹿野町長 福 島 弘 文 様 両発第 2749 号 平成16年2月17日 両神村長 千 島 一 朗 市町村合併に係る住民投票について(ご回答) 寒冷の候、貴職にはますますご健勝のこととお喜び申しあげます。 さて、平成16年2月3日付小鹿政発第49号でご照会のありました標記の 件について、下記のとおりご回答申し上げますのでよろしくお願いいたします。 記 1については、可といたします。 2については、諸般の事情により現時点での回答は困難です。 |
2の回答については、この時点で両神も住民投票をするので、「回答は困難」なのです。 | |
さらに条例の 第10条は、情報の提供であります。町長は、住民投票の適正な執行を確保するため、本町の合併について、町民が意思を明確にするために必要な情報の提供に努めなければならないとするものであります。 町民には一方的に「7市町村合併」の説明だけで、まったく「西秩父」「合併しない」などの情報提供等が無かった。 さらに、「両神との合併」などその情報提供は皆無だ。 |