彦五郎祭（吉田貴布祢神社での公演）

秩父歌舞伎の祖「初代坂東彦五郎」（１８３４年没）をしのぶ第３回彦五郎祭が２５日、秩父市下吉田の貴布祢(きふね)神社境内の特設舞台で開かれる。萬松寺に彦五郎の墓石と顕彰碑を建立した２年前の追善公演以来、今年で３回目の公演。

　江戸で修業を積み、帰郷後、若者たちに歌舞伎指導した彦五郎の名は「音羽屋」の小鹿野歌舞伎、「喜熨斗屋(きのしや)」の秩父歌舞伎ともに受け継がれている。今回の演目は「寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)　工藤館の場」。鎌倉幕府の重臣・工藤祐経(すけつね)に対する曽我十郎、五郎兄弟のあだ討ちもので、祐経と十郎・五郎役を小鹿野、秩父両歌舞伎の役者たちが分け合う初の合同出演となる。

　午前１０時、小鹿野子ども歌舞伎の「三番叟(さんばそう)」で幕が落とされ、午前１１時に合同公演、午後１時、小森祭りと文化を守る会の「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」、午後２時、地元の井上若連の「白浪五人男」と続く。