災害の地域特性と特性に即した対策の重要性

Akihiro Otsukaさんがまとめて下さった防災心得です。

自然災害の発生時には、それぞれの地域の特性がはっきりと表れるケースが少なくありません。 

たとえば、都市型の災害では建築物の倒壊や橋の落下、堤防の決壊や支流のフローによる洪水、津波による地上・地下施設の浸水と倒壊、冠水などが見られます。海抜の低い農村型の災害は、津波による家屋の倒壊や田畑への海水流入などが見られます。 山間部型の災害は、土石流や土砂崩れ、倒木などが見られます。 

いずれの地域にも共通する災害としては、道路の陥没や崩落といったものです。地中に水が浸水し、地盤を弱めるためにおこる現象です。東京湾や大阪湾のような都市型の湾は、産業の発展に伴い、商業並びに工業施設の用地として埋め立て造成されたものが多いですよね。 海抜ゼロ地帯に形成された土地であり、また、造成地であるということもあって、平坦で均一な区画を得やすいというメリットがある一方、液状化しやすい、大規模な津波に弱いという弱点も持っています。大型地震の際は、できるだけ海に近い場所から逃れることが大切です。東日本大震災の際、宮城県へ現地入りしたのですが、大きな堤防があったにもかかわらず、かなり内陸まで(海岸線から10kmを越える)海水が押し寄せ、街を徹底的に破壊していたのを目の当たりにしています。

また、このようにして地域により災害の特性が異なりますので、対策も必然的に変えてゆかなければなりません。都市部で大地震が発生した時に恐ろしいのが、建物の倒壊や看板落下とともに、洪水と火災による被害です。できるだけ水場から離れるとともに、人口密集地からできるだけ速やかに脱出してください。堤防の決壊により洪水が発生した場合、急激に増水し、避難できなくなる場合があります。情報の正確性と決断の速さ、どこにどのような川が流れているか常日頃からチェックしておくことも重要です。

また、都市火災も多くの人々の命を奪います。避難所(建物)も避難場所(学校の校庭など避難地帯)も危険となる場合があります。日本は木造建築が多く、また、石油系の日用品が増えていることから、火災の炎は一気に燃え広がり、人々から逃げ場を奪います。大地震に伴う火災の場合、亀裂や落下物などが道路を寸断し、消防車が火災現場にたどり着けなくなる恐れもあります。火の勢いが強まると、巨大な熱の竜巻が発生し、多くの被害を生ずることがあります。関東大震災の際には、小学校の校庭に逃れてきた数百人の人が亡くなった事例もあります。なお、東大地震研究所の田中先生は、地域での消火訓練の重要性を指摘しています。関東大震災において、普段から消火訓練を行っていた地域では火災被害がボヤ程度で済んだのですが、ほとんど訓練を行わなかった地域では甚大な被害を出していたからです。農村部や山間部では土砂崩れや土石流などの心配があり、そうした地域に近寄らない、増水した川の様子を見に行かない、といった配慮が必要になります。

また、行政に期待されることは、危険地域への新しい建築許可は出さないよう配慮が必要であるとともに、すでにその地域に住んでいる人たちに対し、十分な情報提供が必要です。

さらに減災のための対応(遊水池の造成や護岸)が十分施されなければなりません。孤立部落が生じた際の救済措置も地元の責任において行えるよう、事前に対策を講じなければなりません。いざという時は自衛隊の出動を依頼すればよいと思っても、広範囲で災害が発生した場合、対応しきれないことも予想されるからです。危険地帯に住んでいる人たちに対し、より安全な地域へ移住するための基金を創設したり、地域防災のための予算枠を拡大する、地方の土木建築業者に技術講習するなど、国は地方自治体に対し、安全対策のための財政的技術的措置を今以上に講ずる必要があります。加えて、各自治体・地域ごとにAEDの数が足りているか、という問題もあります。過疎地域では救急車を呼んでから自宅へ車で、あるいは、自家用車などで病院へたどり着くまでに、時間がかかってしまうケースも少なくありません。その場合、各地域にAEDがあれば、救える命もあるかもしれません。普及率の向上が求められます。東京消防庁によると、AEDは年間10万円ほどで業者からレンタルできるそうです。

いろいろ述べて参りましたが、常日頃から、ご自身の住んでいらっしゃる環境をよく知り、いざという時ご自身でできることは何かをしっかり理解し、できるだけ対策を施しておく(ヘルメットなど防災用具を購入したり、避難路を確認・訓練しておく)ことが必要に思います。